TOS-SS集 | ナノ
青臭い、と笑われてもいい。


【青臭い、と笑われてもいい。】


 久々の剣術指南に、ロイドはひっそりと息を飲んだ。ざり、と音を立てて左足を擦るように移動させる。一歩たりとも動かぬまま、黙ってこちらを見詰める鋭く、赤みの強い瞳に、密かに心臓を跳ねさせた。
 今日、クラトスから一本取ったら、告白する。
 胸に秘めた決意をおくびにも出さず。剣を握り直したロイドは、真っ正面から切り掛かると。
「……隙が多いな」
 そのまま撃退されて地面に転がったのだった。



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後書き

ちょっと昔のスポーツ青春モノっぽく。
ようやく仲間に戻ってきたクラトスと、なんかもうゴチャゴチャ考えるのも馬鹿らしくなって告白しようと思ったものの、踏ん切りがつかないので「とにかく剣術指南で一本とったら!」とか思ってるロイドくん。
でも全く勝たせてくれない父さん。


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