ずっと、外を走り回ってきた子供のような。そんな。(yk)
【ずっと、外を走り回ってきた子供のような。そんな。(yk)】
告げれば、冗談はよせと止められた。
喋らせまいと押さえてきた口元の白い手を掴み退け、しかし手は握ったまま、顔を背けている相手を自分の元へと引いた。抵抗するように足を踏ん張っているのか多少の力で引いたところで、ぐらりともしない。こちらを見ようともしない相手に苛立ちを覚えて、小さく名を呼ぶ。四千年の長きに渡って呼び続けた同士の名である。言い慣れた口癖のように滑らかに声となって出ていった。私を見ろ、と意味を込めて出した音へ、びく、とあり得ないほどの反応を返したクラトスに、ユアンは目を見張った。
「クラトス?」
訪ねるような呼びかけに、ようやくこちらを向いたクラトスの顔は、
「……離せ」
*乙女を目指してみました。多分。
だがしかし、子供になりました。多分。