■tos | ナノ
ウィル・オ・ウィスプは何処へ誘う?


「大変! クラトス、ユアン。今日はハロウィンだよっ」
「ハロウィン?」
「お前たちシルヴァラント人のいう《guijie》のようなものだ」
「ああ、鬼節か」
「早くジャック・ランタン作らなきゃっ」
「ジャック・ランタン?」
「正しくはジャック・オー・ランタンという。ハロウィンに使うランタンなのだが」
「……水灯みたいなものか」
「……水に流したりはせんがな」
「何? ではどう──」
「ほらほら! カボチャは用意したから!」
「カボチャ?」
「そ! 早く顔彫らなきゃ!」
「か、顔だと?」
「はい、カボチャ! ユアンも手伝って!」
「あ、ああ」
 ***数時間後***
「出来たぁー!」
「随分可愛いジャック・オー・ランタンだな」
「えへへっ、そう?」
「貴様のは歪つだなクラトス。さては美術が不得手と見た」
「……お前のそれは何だユアンよ」
「なっ、何が言いたい! 私は見たこともないカボチャのランタンを見よう見真似で作ったのだぞ!」
「それがジャック・オー・ランタンか。どんな凶悪なカボチャだ」
「どれどれ見せてー」
「見るな、ミトス。むざむざトラウマを作ることはない」
「なっ! 貴様ッ」
「ええー、やだ見たいっ!」
「楽しそうね、どうかしたの? ミトス、クラトス、ユア──あっ!」
「──ッ! マーテル」
「姉様!!」
「ご、ごめん、なさい……!」
「だから、何なのだその反応はぁあああッ」


[幕切]
[後書き]
2012/01/01 改訂


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