■tos | ナノ
蝋燭灯して行けるかな?


「此処から大体100スタディオン程行ったところに次の街が有るはずだ」
「100スタディオン?」
「そういえばミトスはまだアケルージアの測量単位は知らなかったわね。100スタディオンは約1.64ラスタぐらいかしら」
「1.64ラスタ。じゃあ4時間半くらいでつけるかな?」
「そうね、休みをとりながら行けばそれぐらいかしら」
「……さっきから貴様ら何の話をしている」
「何って、旅程の話だよ。次の街までどれくらいかなって話。もう、ユアン聞いてなかったの?」
「全員が次の目的地までの道を知っておかねば、後々命取りになる。ユアン、きちんと話には参加しろ」
「貴様に言われずともそれぐらいは解っている! ただ聞き慣れぬ単位が聞こえてきたからだな!」
「そういえば、そちらでは単位が違ったな。100スタディオン、といって解るか?」
「ああ、テセアラの、アケルージアの単位だな。100スタディオン。……大体33里194歩ぐらいか」
「里? 歩?」
「アーサランドの長さの単位であった筈だ。確か歩測だったと思うが」
「アーサランドって?」
「アーシア地方にあった国の名だ。大戦が始まるより以前にシルヴァラントと統合されたはずだ。主都は、アースガルズだったか?」
「アスガルト、だ」
「ふうん。で、えっと、歩測だっけ?」
「そうだ。一定の歩幅で歩き、歩数でおおよその距離を測る測量法のことだ。360歩で1里だな」
「んっと。ねえユアン、1里って何ラスタぐらいなの?」
「ラスタ?」
「駄目よ、ミトス。ユアンは出身地が遠いから、ラスタは知らないわ」
「あ。そっか、ごめんねユアン!」
「別に謝られるようなことではない」
「計算すれば出ることだ、ミトス。33里194歩が1.64ラスタだろう。1里は360歩だといっていたから、里に直せば33.54里程度か。そこからラスタを求めればいい」
「……約0.048ラスタだな」
「へえ、そうなんだ」
「まあ、1里って短いのね」
「いや、ラスタが長いのだと思うのだが」


[幕切]
[後書き]
単位についての話。
因みに、スタディオンは古代ギリシャで使われていた単位で、ラスタは北欧神話で使われる単位。里は中国で使われていた単位。
それぞれ名前の文化圏を考えて使用する単位を決定=A家シリーズと同じ方法、ということで此処に設置。

クラトス=ギリシャ神話
ユグドラシル=北欧神話
ユアン=由来は解らないが中国人

今回ユアンに使用してもらった歩測は宋の時代のものに準拠しています。

それにしても、ユアンは中国人名だと思う。

*この話で求められている数値は、端数の切り捨てを行っているため、本来の数値とは随分違っています。

*2度目の改訂により、地域名をA家ネタで揃えました。

10/10/31 改題
12/01/01 改訂
12/05/24 改訂


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