くるくる、くるり

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　衰退と繁栄を決められた中で繰り返してきた世界へ、変化が訪れていた。
　マナの転換作業が行われない。
　それは異例の事態であった。幾度もの調整を重ねて作り上げられたマナの神子が、旅業の途中で命を落とし続けている。一度神子を失えば次の神子が生まれ育つまで二十年近くの時間を──或いはそれ以上の時間を──待たねばならない。
　数度の失敗は予測していたが、もう四度目となれば話は別だった。
　ミトスが誰かの意図を感じ取ったように、クラトスもまた、誰かが故意に神子の命を奪い、予め敷かれていた予測図から世界を弾き出そうとしているのだと感じていた。
　繰り返されるだけであった歴史が、三千余年ぶりに動こうとしている。
　時空をずらされても尚、回り続けるアセリアへ、クラトスはそう確信した。


[了]