「…つか、此処まで揃われると…」
「四之碕さん達まで来そうですよね」
「あぁ、勿論呼んでるよ」
「や っ ぱ り か」
堅と涼太はまぁ良いとして、離れた島国にいる雅を呼ぶって鬼畜にも程があるぞ攻治郎。四国から東京まで来るってかなりしんどいぞ
…けど攻治郎に誘われたら断れないのが俺達だ。きっと雅は死に物狂いで東京に来るだろうな
………次の日休みで良かったな、雅
「斗真っちぃー!」
「斗真いるー?…って、ほぼ全員大集合じゃん」
「一ノ瀬ぇえええっ!!!お前今日の朝に"東京来い"ってメール寄越すって何だよ!無茶だろ!!来れたけど!!!」
「雅、五月蠅いです」………来た。これで全員大集合決定だよ
「わっ!斗真っち包帯男なんスね!何かカッコ良いッス!」
「ははは…えっと、ありがとう…?」
「黄瀬はやっぱ犬か。その耳」
「狼ッスよ青峰っち!!?」
「ひうさんは小悪魔なんですね」
「はい。何故か衣装がさつきちゃんから送られてきまして」
「(天使と悪魔でペア…ですね。それを狙いましたね桃井さん)」
「で、堅は頭に斧ぶっ刺してきて、雅は化け猫か?」
「うん。これ手作りなんだぞ。凄いだろ」
「手作り!?凄ぇっすね二坂先輩!めっちゃリアル!!」
「俺は好きでこんなん付けた訳じゃねぇ…」
………攻治郎の指示か。このうなだれ具合と顔の青白さから大体想像出来たよ
堅は結構乗り気だったみたいだな。手作りとか本当凄いよ。和君食いついてるし
ちなみにこうして皆の仮装を見てみると…、大輝は火神と同じくフランケンシュタイン
敦と抄哉はお揃いで…何だっけ、あれ。何か見覚えがある被り物してるけど。名前は確か…凄く可愛らしい…えーと、シャ、シャル………そうだ、シャルロッテだ。クラスメートの男子が何か面白いアニメがあるとかで見せてきたやつのだよ。タイトル忘れたけど、このシャルロッテは覚えてる。…だって女の子の首を噛みちぎってたんだもん。あれはトラウマだった
何で敦がそんなシャルロッテの被り物をしてるかと聞くだけ野暮だ。何も知らない内に征と攻治郎に押しつけられたに違いないので!
そしてタツヤは真ちゃんと同じく魔法使いでした。こっちも見事に違和感が仕事しない…!
で、気になる征と攻治郎……………二人共々ヴァンパイアでしたよ。似合いすぎて寧ろ怖いって。牙までリアル
「じゃあ斗真、早速だけど、Trick and Treat.」
「僕もTrick and Treat.」
「ってコラァアアアッ!!!微妙に違う!!そんでもってその微妙さが全く違う言葉を生み出してる!!それじゃただの虐めだ!!!」
「お菓子がなかったら悪戯は倍ね」
「尚悪いわっ!!!今から作るって話してたんだから少し待ってろって!!」
「えー、トマちんの作ったお菓子ないのー?」
「うおっ!?敦、重い…ッ!」
敦ののしかかる攻撃を喰らいました。ちょっ、マジで重い…!99kgはマジで重い!
「じゃー俺もうトマちん食べるー」
「………へ?」
「「「はいいいいいいいいいいっっっ!!!!!?」」」
俺以上に周りが驚いてどーすんの!?
呆ける俺を余所に、敦はその大きな口を開けてきて…って待て。これ洒落にならねぇって今の敦の格好から考えてマジで洒落にならないって!!えっ!俺首から上食われる!?食われるの!!?
「おおおおおお菓子なら今から大急ぎで作るから頼むから食うな!!俺を!!!」「やだー、待てないからトマちん食べるー」だからそこで何で俺ぇぇえええええっ!!!!?
「駄目だぞ敦、斗真を先に食べるのは僕だ」
「俺はお前等の食料違う!!てか征まで何言ってんの!!!」
「何言ってるの征十朗君。俺が先だよ」
「何なの!?俺は人間じゃなくて食料に見られてんのか!!!」
「赤ちんとイッちんのお願いでも嫌だー」
「そこは身を引けよ!俺はどっちにも食われたくない!!」
「三人共ズルいッス!!斗真っちは皆のッスよ!」
「俺は俺の物だからっっっ!!!」
ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ…ッ!!ツッコミと常識人不在の無法地帯と化してる気がする…!!もう叫び疲れたぞ俺は!!
「まぁ、狼とヴァンパイアは"喰う生き物"だからね。頑張れ斗真、程々に」
「堅!お前見捨てんなよ助けろよ!!」
「度が過ぎて来たら多分助ける」
「今助けろ!!!………っうおっ!?」
「駄目ですあげません斗真さんはあげません…ッ!!」
お腹の辺りに何かが突進してきた、と思ったらテツヤだった。ちょ、おいテツヤ。あの集団に立ち向かっていくとか勇者にも程があるぞ…!?
「へぇ、随分可愛らしい狼だね。そんな小さな牙でこの大きな包帯男が食べられるのかな?」
「それとこれとは話が別です。斗真さんは誰の物でもないんですから独り占めしないで下さいって事です」
「………テツヤさん、攻治郎、お前等の会話に俺はツッコミたい」
後、お前等二人がそんな険悪になるとこっちが凄く神経削られるんだぞ
「じゃあ、皆で分けたらどうでしょう〜」
… … … … …。
………何言ってんの抄哉さんんんんんんんっっっ!!!!!?
それから皆も「「「…それなら、いっか」」」なんて納得してんだよ!!するなよそこは!!ていうか俺は菓子を作るって言ってるのに総スルー!!?
唯一の常識人(?)である大我と真ちゃん達の方に視線を向けると、
「………一ノ瀬達には逆らえねぇ、悪い」と、返ってきた。そうだった大我にとったら攻治郎はトラウマだったぁぁあああっ!!!そりゃ無理だ!!絶対に無理だ!!!
真ちゃんはもう我関せず決め込んでるし、和君は堅とPG同士で話盛り上がらせてるし、桃ちゃんとひうちゃんは………カメラ片手に何してるのかな桃ちゃん。しかもビデオカメラ。それとひうちゃんもそれに便乗しないでぇえええええっっっ!!!!!
「斗真」すす…っ。攻治郎の指が首元に触れた。包帯を巻いてはいるけど、何か…そんなにギチギチにではなく緩く巻かれてるから、所々素肌が見えている訳で…。それと、傷痕がある部分に指が触れて、加えて包帯が擦れて、凄くくすぐったい。そのくすぐったさに思わず「ひ…っ!?」と声を上げてしまった
恐る恐る攻治郎に目線を送ると………、完全に何らかのスイッチが入った顔してらしたよ。ヤバい、怖い
どうにかして離れようとは思ったけど、それは無理だった
だって敦がガッシリ俺の肩掴んでんだもん!!!逃げられるわけがない!!
その時、がぶっ…!と俺の首に敦が噛み付いた。つっても、甘噛み程度で痛くはないんだけど…!「ぃ…ッ!」くすぐったいわ何か噛まれた所が疼いて熱いわで…!声が漏れる!
ヤバいヤバいヤバいって!!これ本気で喰われる!!俺は煮ても焼いても刻んでも美味しくないってのに!!!
「斗真君は反応が初々しくて楽しいですねぇ〜」
「元々こんなだろ。今時珍しい純朴少年だしな」
「ていうかこんな奴いねぇと思うぞ、普通」
「ちょ…っ!ま、雅ッ!抄!くすぐった…っ!大輝まで…!!」
「斗真、お前はもう少し危機管理能力を身に付けた方が良いな。でないとその内喰われるぞ」
「っふぁ…ッ!?せ、せいっ!み、耳噛む…な…っ!!」
しまいにはあまりのくすぐったさに腰が砕けて座り込む始末。でもこいつ等は構わず俺に"悪戯"を仕掛けてくる訳だが…
雅達は俺の両手に口付けたり指に舌を這わせたりしてくる。包帯で隠れているところと隠れていないところがあるので、それがとてもくすぐったくて、疼く
征には耳を噛まれて、ヴァンパイアの仮装ように付けてきたであろう牙が刺さったり擦れたりして身体がその度に跳ねる
「斗真さん」
「ッ…テ、テツ……っ」
「 Trick and Treat. ですよ」
にっこり笑うテツヤは可愛い反面、本気で狼だと思った
甘い悪戯で愛して愛して
この後、
見るに見兼ねた堅が止めに入った時には、
身体に巻いていた包帯は解け、
身体中が噛み後だったりなんだりで
悲惨な事になっていたのは無理もない話です
(当たり前だが菓子は作りませんでした)
(腰が砕けてそれどころじゃなかったわ!!)
by.ポケットに拳銃
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5≠5