先攻は勝ち組である俺達の方から。最初に打つのは真ちゃんにしたんだけど…、


「真ちゃん、何で打たないの?」

「…相手のコートに打ち込めば良いんだな?」

「え、うん」


何を今更?な感じの空気が流れたかと思えば、真ちゃんは………何かめっちゃくちゃ見覚えのあるフォームでボールを構え…、


「俺のシュートは落ちん!」


シュッ!!…打ったぁぁああああッ!!!しかも、3P打ち込む時のフォームで打ったぁぁああああッ!!!バッチリ決め台詞付きでッ!!!

「真ちゃん何それ最高ッ!!!」って和君腹抱えて笑ってるし!!打ち方分かんないなら聞けば良いのに真ちゃん!!俺でもそれは分かってたよ!?テツヤと堅は揃って苦笑いだし!!駄目でしょそんなどや顔でシュート打ったら!!


「緑間っちそれ違うッス!!」


と叫びながら、超高弾道3Pシュート並の高さから落ちてきたボールを何とか拾い、涼太はレシーブした

「よっ!」すかさず俊がトスを返し


「オッラァッ!!!」


大我がシュートを決め………ちょっ、


「大我それダンクッ!!!バレーでダンクしちゃ駄目だろッ!!!」

「えっ!?お、わっ!?」


そのままダンクの体勢でシュートを決めようとした大我だったけど…当たり前だがネットにぶつかってひっくり返った。…バカガミめ。そして順平の「だアホォッ!!」が飛んできた


「…何これ、皆バレーするのに集まったんだよね?バスケじゃないよね?」

「バスケ馬鹿の集まりだから仕方ないと思うけど?」

「そりゃまぁ…うん、そうかもしんないけど」

「斗真さん、バカガミ君がボールを落としたのでこっちのボールです。どうぞ」

「えっ、俺!?」

「今ナチュラルにバカガミっつったろ黒子ゴラァッ!!」


怒る大我をテツヤは完全にスルーしていた。…哀れバカガミ

…よ、良し、全然バレーとかやった事ないから不安だけど…良し、やるか


「せぇーの…ッ」


バシッ!!おっ、上手く飛んだ

ボールは涼太達の方に飛び、冬来先輩が「おりゃ〜!」と、すっげぇ気の抜けそうな声と一緒にレシーブ返してきた
それを今度は大我が何とかトスし、順平が打ち込んできた

「黒子!」と、和君が叫びながらテツヤにパスを渡す
それをテツヤは受け取り、「斗真さんお願いします!」と言って俺にパ…また俺かいッ!!!


「(大我みてぇにダンクしねぇようにしないと!)…オラァッ!!!」



ズバァンッ!!!「ぶっ!!?」

………あ、やっちゃった。モデルの顔にやってしまった
俺のシュートが見事に涼太の顔面に当たっちゃいました。…だ、大丈夫だろうか。何かズバァンッて凄い音したけど。…加減すんの忘れてた


「いっつつつ…!!」

「お、おい、大丈夫か?」

「斗真っちの馬鹿ァーッ!!俺一応モデルなの忘れてないッスか!?てか加減無さ過ぎッスよぉ!!」

「ご、ごめん涼太!後でジュース奢るから!」

「!!はいッス!」

「(…モデルの顔ってジュース一本で何とかなるもんなの?)」

「(…安過ぎるのだよ黄瀬)」

「(ていうか、さっきから黒子が黄瀬を睨んでて怖いんだけど!?)」


「黄瀬君なんて嫌いです」

「黒子っちぃぃいいいいいっ!!?」


テツヤの理不尽な物言いに「何でッスかぁ!!」と叫ぶ涼太。何があったんだテツヤ?


「じゃ、続けるぞー」


堅がシュートを打ち、そのシュートを大我が受けてレシーブする
ボールはそのままネットを飛び越えて、こっちに飛んできた

「まっかせとけ!」と和君。落っこちそうになったボールを受け取り、真ちゃんの方に飛ばす
真ちゃんがそれを受け取り、堅にボールをトスした

軽くジャンプし、「よっ!」という掛け声と一緒にボールを相手コートに叩き込んだ


「させっか!!」


それを順平が何とか受け止める。高く上がったボールを冬来先輩が更に高くトスを上げた。そしてやはり「そ〜れっ」というゆるい声と一緒に

「よっしゃあっ!!」叫びながら大我が駆け出し、シュートを決めようと高くジャンプした
ヤバい、これ何とか止めないと確実に入る!ていうかやっぱつくづく大我のジャンプ力凄ぇって思うわっ!


「斗真!!」

「おう!」


堅に言われて、一緒にそのシュートを防ごうとネットの前まで走った。ネットの前に着いてほぼ同時に、

バァンッ!!!大我が打ち込んできた。速ッ!!アイツバレーも向いてるって多分!!そのシュートを防ごうと、俺と堅はジャンプした

けど、   ドゴォッ!!!


「………あっ」

「なっ」

「げっ!?」

「と………斗真さん!!」

「斗真ッ!?」


………た、高く跳び過ぎた

大我の打った豪速球は、俺の顔面に見事に直撃した
これってあれかな?涼太の顔にボールぶつけた俺への罰かな?


「と、斗真っち!!大丈夫ッスか!!?顔真っ赤ッスよ!!?」

「…な、何か………涼太の顔が三つに見える…。分身の術…?」

「斗真っちぃいいいっ!!?」

「………火神君、斗真さんの顔はさっきの黄瀬君の顔のようにジュースなんかで弁償出来る程安くないですよ…!!」

「何でお前が一番怒ってんだよ!!それとイグナイトパスする時の構えすんな!!危ないんだよ!!」

「高尾、向こうで氷を貰いに行くぞ」

「おー」

「大丈夫〜?斗真君」

「………伊月」

「………そうだな、日向」

「やれやれ…」



こいつ等には大人しくバスケをさせてた方が良い

本気でそう思った日向達だった





ーーーーーーーーーー…
ーーーーー…
ーーー…


そんなこんなで、リコちゃんに言われてた時間になりました
あの後大我にイグナイトパンチしようとするテツヤを必死に止めてたよ。あの子どうして度々暴走するんだろ…


「さぁ、皆集まったわね!それじゃあ早速、このくじ引いて♪黄瀬君達も一緒だから本数多めにしといたわ」


あれ、何かこのノリ初日にも無かったっけ?

秋君が「…何でまたくじ引くんスか?」と聞いてきた。それは皆も聞きたかった事なので、全員無言で頷く

そしたら堅は「何でって、そんなの決まってるだろ」と言い、





「夏と言えば海、他に何があるかと言われれば"肝試し"だろ」

「てな訳で、やるわよ。"肝試し"♪」



この二人は本当に突拍子もない



17≠20