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「…お子様達は元気だなー」

「お前も充分お子様だと思うが」

「真ちゃん酷い。俺より歳下のクセに」

「中身の問題だ」


何それもっと酷い

正直なところ、リコちゃんの地獄の練習により体力を削られた俺は、暫く旅館の人から借りたビーチパラソルの下で休んでる最中
…が、体力底無しの火神とか、遊ぶと聞いて元気満々な慎ちゃんとか晴曲君とか、一年生達はもうハシャいでハシャいで

涼太と和君は見事にその中に溶け込んでた。俺もあの中に入ろーかなーとか思っても…うん、リコちゃんの練習はやっぱ半端無い


「真ちゃーん!!」

「?なん、」


バッシャアーンッ!!!

…和君死亡のお知らせ。バケツの中に大量の海水を入れた和君が、その海水を真ちゃんにぶっかけました

「し、真ちゃん…?」恐る恐る真ちゃんに声を掛ける。テツヤは俺の背中に隠れてる。いやいや俺を盾にしないでよ!俺だって嫌だよ!!こんな怖い真ちゃんの隣は嫌だよ!!


「真ちゃん達そんなとこでジッとしてないでこっち来いよっ!つまんないでしょ!」

「…高尾、ちょっとこっち来い」

「アハハーッ!やっぱ真ちゃんも遊びたかったんじゃ…あれ?何で俺引きずられてんの?何で俺頭掴まれ、」


バシャアーンッ!!!…和君が真ちゃんに躊躇なく海の中に沈められた。…大丈夫かな?あれ


「斗真っち黒子っち!一緒にビーチバレーしないッスか?」

「え、俺にバスケ以外の球技をやれと?分かんないよルール」

「だって此処じゃバスケ出来無いッスよ…」

「斗真さん、簡潔にルールを説明しますので、やりましょうバレー」

「おー」


俺ってつくづくバスケ以外興味ないんだなーって思うよ

順平や堅達も参加するらしく、何人か集まった。慎ちゃん達は…向こうで「あっちの岩場行ってみよ!」とか騒いでるから敢えてスルーした


「じゃーチーム分けと行くか。身長が高い奴が多いから、均等に戦力を分けた方が良いね」

「あぁ。じゃー身長がや た らでかい奴は、あっちで離れてジャンケンな。グーとパーだけで」

「そんな"やたら"を強調すんなよ…」


てな訳で、俺、大我、堅、冬来先輩、真ちゃんとでジャンケンする事にした
…こんなに190cm以上がいたら圧巻だよな。ていうか怖いよな

グーとパーでジャンケンして、負けた方、勝った方とでチームを分けた


『勝ち組』
白祈院 斗真
二坂 堅
黒子 テツヤ
緑間 真太朗
高尾 和也


『負け組』
日向 順平
冬来 杏守
黄瀬 涼太
火神 大我
伊月 俊


…あっちは見事に高身長の奴等が集まったな。何だか俊と順平が…小さく見える。錯覚起こってんだけど


「斗真っちと黒子っちと離れたッス…」

「僕は斗真さんと一緒で嬉しいです」

「テツヤ、暑いから引っ付かない。お前が倒れる」

「やっぱ真ちゃんはジャンケン勝ったんだな」

「ふっ、当たり前なのだよ」

「(………勝てる気しねぇ!!!)」

「(いや、でもこれはバスケじゃなくてバレーだからまだ分からないぞ!)」

「バレーなんて中学以来ですよ〜。いっつも守備だったけどね〜」

「(だろうな…めっちゃでかいしこの先輩)」

「さて………じゃあ、やろっか」


何処から取り出したのか、堅が取り出したホイッスルの音が、

ピッ!! 試合開始の合図となった



16≠20