「「「いただきまーす!」」」
…あの後味噌汁もサラダも作って、大部屋に集合している皆にカレーを持って行った。リコちゃんの作った、カレーを。ここ重要
見た目が少しでも良くなるように丸ごと食材は全部一口サイズに切り直し、俺と凛ちゃんの共同作業で見た目からグロかった色から何とか普通のカレーの色に戻すことに成功した。奇跡だよ、もはや奇跡だよ
…味は全く変更してないけどな。俺が食べても皆が食べても感想は"普通に美味しい"だった
だから多分…大丈夫だと、思う
「何だ美味いじゃーん!リコちゃん料理上手なんだねー!」
「そ、そう?有難う」
「味もなかなかだしな」
「料理が出来るなんて羨ましいですねー」
………食ってる。何にも疑うことなくパクパク食べてる
さっき順平が「だ、大丈夫なのか?」と顔色を悪くして聞いてきたので、一応大丈夫だとは言っておいた
最初は食べるのを躊躇してた順平達だったけど、晴曲君達が平気な顔してカレーを食べていたのでひとまず安心して食べ進めていた
「ちょっと辛いけど、美味しいよリコちゃん」
「えっ!ホ、ホント!?斗真君!」
「う、うん、本当だからそれ以上は顔近づけないで下さい…!!」
「(やったぁ!斗真君に褒められた!)」
…な、何か嬉しそうだな…何でだろ?
「と、とにかく…まともに出来てたみたいで良かった…!奇跡だ、本当に」
「俺もホッとした…」
「大袈裟だぞ日向!今日はリコの調子がすこぶる良かったって事だって。あ、お茶飲むか?」
「ん、あぁ」
と、鉄ちゃんがお茶の入ったボトルを取ろうとした時だ
ガッシャーーーンッッ!!!という凄い音が大部屋に響き渡った
「何!?どうしたの!?」リコちゃんが声を上げる。俺達は…何となく、この事態の元凶察した。ギギギ…ッ!!俺達は機械音がしそうな感じに、音のした方を振り向いた。そこでは…
「あ、秋瀬!?ど、どうしたんだ!!いきなりテーブル突っ伏して!!」
「な、何か…ぴくりとも動かないんだけど」
………秋君やられたぁぁぁあああああッッッ!!!!!
何で!?さっき食べた時は何ともなかったじゃん!!どうして今になってこんな惨劇がッ!!?
「………お、おかしい…」
「ま、舞尋?」
「堅…お、俺は自分でも分からない内に体調を崩したらしい………目の前が霞む…」
「舞尋ォォオオオッッッ!!!!?」
「(舞尋君までやられた…ッ!!!)」
「ギャーーーッ!!!み、みと、水戸部とツッチーと冬来先輩がぶっ倒れたぁーーーッ!!!」
「い、伊月と春稼が泡吹いてる…!!き、救急車ぁーーーッ!!!」
「ちょ、ど、どうしたの!?もしかして食材腐ってたのかしら…!」
「「「(明らかにそれ以外の何かだよこれは…!!!)」」」
こ、これは………まさに遅れてやってくる恐怖。遅効性の猛毒を喰らった後のような惨状だ
どうしよう。もうこれ皆食べちゃったよね!?全員もうアウトだよねこれ!!
「…と…斗真さん…」
「テ、テツヤ!?(顔色悪っ!!!)」
「………あ、明日は…絶対カントクには…料理を………させ、ないように…しま………しょ、う…」
「テツヤァアアアアアッッッ!!!!!」
テツヤが倒れたとほぼ同時に、大我や堅達も顔を真っ青にしてぶっ倒れた
…他にお客さんがいたら、確実に大騒ぎになってたな
そこで俺もくらぁ…っと、重度の貧血にあったかのような目眩に襲われた。あ、駄目だ、これは俺もぶっ倒れるパターンだ
意識を失い掛けた時、ふっと視界に入ったのは、
リコちゃんの鞄の横に置かれていた、プロテインだのビタミン剤だのの…
大量の………サプリメント
「(………だからリコちゃん…前にも言ったけど…)」
料理にまでサプリメントは入れなくて良いからぁぁぁあああああああああああああああッッッ!!!!!!!!!!
と、心の中で叫んだ時、俺の意識は完全に飛んだ
幸い、命に別状は無かったようです(1時間後に全員復活)
こうして、沖縄旅行+合宿一日目は、何とか無事に終了した
…無事………かどうかは、まぁ置いといて
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13≠20