今更反論するとか…というか抵抗するなんて事しないよ。だってあのカントク相手にそんなん通用するわけないからね!!

で、ミニゲームをするにあたり、鋼業側はメンバー的に全員参加は止むを得ない
だから俺達は誰が参加するかという話になって…こうなった


白祈院 斗真
日向 順平
木吉 鉄平
水戸部 凛之助
黒子 テツヤ

と、このメンバーになった。大我と凛ちゃんのどっちが出るかって言う話になったけど、リコちゃんは「今日はいつもと違うメンバーで!」って事でこうなった
明日もミニゲームをやるらしいから、その時に大我を出すらしい。…本人つまらなそうだったけどな

ちなみに俺は、今回PGとして参加する。俊ちゃんに代わって


「よっしゃ!これが楽しみだったんだよ!よろしくな!」

「おう、よろしく!」

「吠え面かかす」

「やってみろ」

「………っ」

「全くあの二人は…」

「よろしくなー冬来先輩!」

「うんよろしくー!」

「負けませんよ秋瀬君」

「そりゃこっちの台詞だ」


うん、皆ミニゲームだけどやる気満々だな
…約4名程殺気が迸ってるような気がしなくもないけど。うん、気のせいということにしよう

審判はリコちゃん。ジャンプボールは鉄ちゃんに任せた。相手は冬来先輩みたいだな…あの人結構やり手だからバスケ中は油断出来ねぇ

リコちゃんが笛を口にくわえ、ボールを持ちコートに入った。そして、


ピッ!! ミニゲーム開始!



「良し!」


鉄ちゃんが上手いことボールを弾き、最初は誠凛ボール。俺がボールを受け取り、フリーだったテツヤへとパスを出す
テツヤは的確に凛ちゃんへとパスを渡し、凛ちゃんはそのままゴールへボールを叩き込んだ

「うおっ!!いきなり点取られた!」叫ぶ晴曲。そして、堅から一言


「お前等…意地でも点数取り返さなかったら、



帰った後の練習覚えてろよ?」

「「「イエッサァァァアアアアアッ!!!」」」

「クラッチタイム入るの早ッ!!!」

「初っ端からスイッチ入れちゃったよ堅の奴!!」


一瞬で顔面を蒼白させる秋君達が物凄く哀れに思えた

試合再開し、順平から鉄ちゃんにパスが渡った時だ。バンッ!!と、秋君が背後からボールを取った
完全に不意を突かれて、「あっ!」と声を上げた時には、秋君が弾いたボールは堅の手に渡ってた
「ヤベッ!!」と、順平が叫んだときには、既に堅は溜めの姿勢に入っており、そのまま3Pシュートを決めた

おー…真ちゃん並に綺麗に入ったな。パスって


「さて、まだまだ始まったばかりだから楽しんでいこうか。斗真」

「望むところ!でもその怖い笑顔やめてくれ!!」

「斗真さん、我慢です」


………真顔でテツヤに諭されました





ーーーーーーーーーー…
ーーーーー…
ーーー…


「いだだだだっ!!」

「大我我慢!柔軟しないと明日の練習が悲惨な事になるぞ!」

「斗真ー!お前柔軟まだだろ?後で手伝うから火神の終わったらこっち来いよー!」

「オッケー」


練習が終わり、全員見事に筋肉痛となった
俺達は同じメニューを一度しているからわりと大丈夫な方だけど…、堅を除く鋼業メンバーは完全にダウン中
向こうから「いっだぁぁぁあああああッ!!!」「我慢しろ情けない」「い゛やぁぁあああ!!!冬先輩助けてぇえええっ!!!」「頑張ってねぇー」「嘘ぉおおおっ!!?」…という晴曲君の悲惨な悲鳴と舞尋君の容赦ない言葉と冬来先輩ののんびりした声が聞こえてきた

テツヤは暑さにやられたらしく、額に冷えたタオルを乗っけて休んでる最中。体育館の中も馬鹿みたいな暑さだったからなぁ…沖縄ナメてた


「テツヤ、お茶飲めるか?」

「はい…」

「お前ダウンしてばっかだな」

「全員しっかり柔軟するんだぞー。終わった奴から風呂に入るように」

「奥に大浴場があるから、そこで入ると良いよ。広い風呂の方が良いだろ?」

「大浴場!おっしゃ泳ごう!」

「泳ぐな!!」


泳ぐ気満々の慎二に順平がツッコんだ。うん、いくら貸し切りだからって泳ぐのは駄目だぞ?


「斗真、柔軟終わったら行くか?風呂」

「あー…俺は良いや。自分の部屋にある風呂に入る。それにテツヤ診てたいし」

「…?そうか?分かった」


本音は俺も大浴場行ってみたいんだけどなー…。順平達は知ってるからまだ良いにしても、秋君達にはこの背中の傷は悪目立ちするだろうし…
それに下手に気を使わせんのも悪いしな


「………斗真さん、僕は大丈夫ですよ?」

「んー?暑さでぶっ倒れてる人のどこが大丈夫なんだ?おい」

「…えっと」

「遠慮しねーで休んでろって。お前が復活したら俺も風呂入るし。飯も作りに行かなきゃならねーしな。凛ちゃんと大我連れて」

「………斗真さん」

「何?」

「…気を使ってないですか?」


ギクッ、思わず肩が跳ねた。そうだった、テツヤは人間観察が趣味だから、人のちょっとした変化とかには敏感なんだよ
テツヤは「本当は大浴場、行ってみたいんじゃないですか?」と一言。いきなり確信を突いてきたからうぐっと言葉に詰まった。時々テツヤが読心術でも使ってんじゃないかって思うときがあるよ

「えっと…」と言葉を濁していると、風呂に行ってたと思った堅が戻って来て言った


「斗真ー、テツヤー、悪いけどお前達の部屋の風呂が壊れてるらしくてな。大浴場の方使ってくれないか?斗真は部屋のを使うって聞いてたけど」

「へ?壊れた?(…露天風呂って壊れんの?)」

「そういう事なら仕方ないですね。では斗真さん、柔軟をやったら早速行きましょう」

「え、え、え、あ…うん」


………何か、上手いこと流されたような………ま、いっか



「すみません二坂さん」

「良いよ良いよ。偶然話が聞こえちゃったから、どうせならってね」

「…有難うございます」

「暗くならない。斗真に気付かれるよ?ほら、テツヤも柔軟行ってきなよ」

「はい」


という会話を二人がしてたのを、俺は俊と柔軟をしてたから聞かなかった



10≠20