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あの後テツヤは何とか落ち着いた。というか秋君の鉄拳が飛んできたんだけど
「おっ前っっっ!!!先輩に何してんだよ!!アホ!!」「アホとは何ですかアホとは。愛情表現ですよ」「どー見てもセクハラだっつの!!」「失礼ですね。いきなり人を殴る人に言われたくないです」「いきなりセクハラかますお前の方が失礼だよっ!!!」…という二人のやり取りは…うん、無心で見て見ぬ振りした

んで、海での体力、筋力アップの基礎練は終わり、現在旅館から徒歩20分程先にある市民体育館に来ている
無論、普通に来た訳ではなく、浜辺での基礎練が終わってボロボロの俺達に二人は「「市民体育館までランニングね」」と満面の笑顔で言ってきやがった。堅に至ってはアイツも俺達と同じメニューこなした後だから…絶対しんどい筈なのに、どうしてあんな事が言えるのかその精神を疑う(今更でしょーけどね!!)

んで、全員体育館に到着するなり倒れ込んだ。当たり前だよ


「………キッツイ…!!」

「東京の倍暑いでしょ…これ…!」

「じゃ、10分休憩ね!ちゃんと水分取っといてよ」


既にドリンクは市民体育館の方に用意されていた。どうやら旅館の御女中さん達が運んでくれたらしい
ちなみにリコちゃんは旅館から借りた自転車でランニングしてる俺達について来たから余裕の表情


「はい斗真さん、ドリンクです」

「サンキュー。てかテツヤ大丈夫か?さっきまでピクリとも動かなかったけど…」

「大丈夫です。ちょっとフラフラしますが」

「その身体の揺れはどー見てもちょっとじゃないように見えるのは俺だけか?」

「黒子ー、何でそんな振り子みたいに揺れてるんだ?」

「黒子は振り子………ハッ!きたこれ!」

「伊月マジウザイ黙れてか死ね。死んでしまえ」

「死ねっ!?」

「やっぱ貧弱…」

「貧弱ではありません。少し体力が少ないだけです」

「そーいうのを貧弱ってい「秋クン喧嘩は駄目ー」ッゴフ!!?」


………冬来先輩の持ってたタオルが秋君の頭にクリーヒットした
ちなみにそのタオルは氷水に漬けてキンキンに冷やされたもので、つまり濡れている

…濡れたタオルで叩かれたら予想以上に痛いって事は知ってるよね?


「〜ッッ!!!せ ん ぱ いッ!!アンタ濡れたタオルで人を殴んなって何度言ったら分かるんだよッ!!!」

「だってー、秋クン黒クンと喧嘩しそうだったからー。喧嘩したら堅チャンに怒られるよー?」

「だからってよりによって濡れたタオルで殴るなよ!!めっちゃくちゃ痛いんだよそれ!!予想を遥かに越える痛みなんだよ!!」

「はいはい、冬来先輩も城介も落ち着いて。折角の休憩中に体力使ってどうするんだ」

「………すんません」

「あはは、ごめんねー」


流石堅。流石大黒柱。…って感じだな。まさにそうだよ



「はい!10分休憩終了!じゃあ皆、これ付けて」


と言って、リコちゃんが持って来たのは………ゼッケン


「へ?ゼッケンって………もしかして?」

「もしかしてなくても…」

「まさか…」

「そっ!



今から鋼業の皆とミニゲーム、始めるわよ!」



ホントにこの監督は俺達を叫ばせてくれるなって本気で思った



9≠20