「え、部屋って三人部屋と二人部屋で分けてんの?」

「そう。一応大部屋はあるにはあるけど、それじゃ個人個人あまりゆっくり出来ないだろ?だから大部屋は、皆で練習メニューの説明とかマッサージとかご飯食べる時とかに使うことにしたんだよ

勿論リコちゃんは二人部屋を一人で使ってね」

「やった!有難う二坂君!」


そりゃーリコちゃん女の子なんだから男子と同じ部屋じゃ駄目だろう
…ていうか、此処にいるメンバーに問題はないとしても………リコちゃんのお父さんである景虎さんに知れたら流血沙汰になるぞ

そして歩くこと数分、広い部屋に案内された。此処が所謂大部屋らしい。…広いし綺麗だし景色は良いしで文句ねぇな
早速慎ちゃん、大我、晴曲君と誠凛一年トリオは窓側へと走って行った。その後を慌てて凛ちゃんが追いかけてった。大変だなお母さんも…
皆その景色の良さにテンションマックス状態だ。順平達も「ほー」「凄いな」と素直な感想を述べている

取り敢えず、俺はテツヤを座らせる事にした


「テツヤ大丈夫か?」

「はい、もう大分良くなりました」

「そりゃ良かった」


頭をわしゃわしゃ撫でてやると「…斗真さん、力強いです」と返ってきたから慌てて離した。…悪いな馬鹿力で

で、肝心の部屋割りはどうなっているのかを聞くと、



「てな訳で、誠凛と鋼業の皆で一斉にこのクジ引いて☆」

「今から決めんの!?てかクジ!?しかも誠凛と鋼業の皆一斉にって事は…!!」

「相部屋になっても文句言うなよ。文句行った奴は練習メニューそいつだけ3倍増し」

「鬼畜!!!」


堅の言い分に全員からブーイングが飛び交いそうだったが、後が怖いので直ぐにやめた
クラッチシューターって何でこんなに怖い奴多いんだよ。堅の場合精神的苦痛の方が強いけど

「数字書いてるから、同じ数字の奴ずつ集まれよー」と、大部屋の中心で仁王立ちで言う堅は独裁者にしか見えなかった





「良し、皆引いたなー」


全員が引き終わり、同じ番号の人間ずつ集まっていた

結果を見てみると………うん


1番=木吉 鉄平・春稼 晴曲・降旗 光樹
2番=福田 寛・河原 浩一・小金井 慎二
3番=秋瀬 城介・伊月 俊・水戸部 凛之介
4番=夏風 舞尋・日向 順平・土田 聡
5番=冬来 杏守・火神 大我・二坂 堅
6番=白祈院 斗真・黒子 テツヤ


俺とテツヤは偶然にも二人部屋に当たったらしい。何かすっげーテツヤの顔が輝いてたのはまー良いとして、

順平と舞尋君が同室ってのはヤバくない!!?同じく同室のツッチーがとても不憫だよ!既に睨み合ってるしさあの二人!ツッチーオロオロしてるしさ!大丈夫なのか!!?

あー…でも堅が「異論は認めん」って顔してるから………駄目だな。変更は無理だな


「よろしく、秋瀬」

「………」

「…っす(…この先輩、マジでなんも喋らねぇ)」

「まさか"鉄心"と同室になるなんてなー!合宿中よろしくな!あ!それからえっと、降旗クン?よろしく!」

「は、はい!(良かったぁー!!夏風先輩とかと一緒じゃなくて!)」

「あぁ、よろしく。そうだ、黒飴食べるか?」

「黒飴!?何か渋っ!!でもって貰う!」

「俺達は特に問題ないね。全員同じ高校だし」

「そうッスね」

「小金井先輩で良かったですよー」

「火神君、よろしくな」

「うっす!」

「よろしくねー。あ、火神君はひー君って呼んで良いー?」

「ひー君!!?」

「こういう人だから気にしないで良いよ。悪気もないから」

「まさかアンタと同室とはね。鬱陶しいを通り越していっそ清々しいよ。そこの糸目君は100歩譲って良いとしても」

「(糸目…!?)」

「はっはー、そりゃこっちの台詞だエセフェミニスト。あんまり口が過ぎるようだったら問答無用で叩き出すからな覚えとけボケ」


「………うん、俺…テツヤと二人部屋で良かったわ」

「僕もです」


一波乱どころか何が起きるか分かんねぇよこの部屋割りメンバー見てたら


「じゃ!それぞれの部屋に行って、荷物置いたら直ぐにこの部屋に戻ってきて!この合宿中の日程と練習メニューを教えるから」

「じゃー解散!」


リコちゃんと堅の言葉を皮切りに、俺達は荷物を持って部屋へと向かうことにした



6≠20