座りの悪いスワヒリ.




文化祭までに、私の個性でフライヤーを刷り上げ、配ったり掲示したりした。
フライヤーはどこのクラスもやってるし、CMをつくるのもいいけど、流すところがない。
ということで、私はドキュメンタリー調のCDを作成し、出し物で帰っていくお客さんに売るということにした。また、A組だけでなく、B組の劇のメイキング映像も作ることにして、特典で1/100の確率でオールマイトのサイン入りを混ぜる。SNSでの宣伝も十分にしてある。…これで売り上げは間違えない。

今日は、B組の劇の取材だ。

「こんにちはー、経営科の名字 名前です。よろしくお願いしまーす。」

「来たか名字!僕らB組の劇は素晴らしすぎてA組なんかミジンコレベルに見えるだろうから、しっかり取材していってくれよ!なんていったって、拳藤もミスコンに出る!1-Bがナンバーワンになることは間違いなっごふ!!!」

「泡瀬君ありがとう。」

物間を仕留めてくれた彼にお礼を言う。中学の時から物間はこんな風にストッパーが居ないとだめなんだよね。

「これと同じ中学とか苦労するな。」

「まぁ、いいとこもちょっとはあるからね。」

「いいとこか、例えば?」

「………パッとは思いつけないね。」

ごめん、物間のいいとこ思いつかなかった。
勝己君のいいとこなら二時間は話せるんだけど…。

「っところで、名字は最近A組の爆豪に入れ込んでいるようだね!?それでも僕の友達かい?」

「勝己君かっこいいんだもん。」

「裏切りもっごふ!!」

「またもやありがとう泡瀬君。」

その後、B組の劇の練習はつつがなく始まり、十分な映像が撮れた。
物間の嫌味なところはカットしておこう。




廊下で、カットするために物間が話してるシーンを見返す。
物間のいいところ、顔かな。

「顔は悪くないんだよなぁ…。」


「お前、そいつのこと好きなんか。」

「うわぁ!勝己君!お目汚しの後で見るとかっこよさが際立つよ!イケメン!神の造詣!!」

横から覗き込んできたのは勝己君だった。
顔近いって!鼻筋とか美しすぎるし、まつげ長いし、いい匂いする!

「あん?」

「私が好きなのは勝己君だけなんで!物間のことは0.2ミクロンも興味ないよ!」

「そーかよ。」

勝己君から話しかけられるのはレア中のレア。
嬉しい。

「勝己君、練習は?」

「休憩。」

寄越せ、と私が飲んでいたスポーツドリンクを奪い、勝己君の喉が上下する。
喉仏のラインが、なんかフェチ心をくすぐられて、くらくらする。
てか!間接キッスじゃん!えっち!!
なんか今日、勝己君のデレがすごいな。私死ぬのかな。

「お前、文化祭まわる奴おるんか。」

「ん?友達くらい私にもいるよー!」

友達いないと思われてたのはショックだ。勝己君に付き纏っている時以外は友達といるもん。

「そうじゃねーだろ。」

「え?」

「俺とまわるかってことだろーが。」

オレトマワルカッテコトダローガ??
何語?スワヒリ語かな。え?

最近の寝不足も相まって、地面が揺れた。






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