ボーイミーツガー.




「勝己君!今日もかっこいいよ!世界一!」

はい、一瞥して無視というご褒美をいただきました。
廊下で会うとこれだもん。シャイなのかな。

「名字、すごいよね。怖くないの?」

「怖い?かわいすぎて?」

「あんたが馬鹿なのは十分にわかった。」

お友達のあっちゃんはため息をついて、私の頭を撫でた。きもちい。そしてため息もマイナスイオン感じる。
口に出てたようで叩かれたけど、それでも幸せ。

「あんたさ、文化祭どうするの?」

「あっちゃんは?」

「私はサポート科と組んでアイテム企画してるよ。」

「ちゃんとしてるねぇ。」

もう文化祭について考えなきゃだなぁ。もう動き出してる人も多い中で、考えるの時期な自分やばいな。
A組何するんだろう。メイド喫茶とかやってくれないかな。勝己君はもちろん猫耳メイドで。



「っっえ!バンド!!」

「そー!俺ギター!」

「上鳴君チャラいね。似合う!」

「だろぉ〜。爆豪はドラムだぜ!音楽教室行ってたんだってさ!」

音楽教室…尊い。空手とか塾とかはやってそうだけど!音楽とか!情操教育にも力を入れてる勝己君のお母様流石すぎる。その教育の賜物であの才能マンな勝己君が育ったんですね、ありがとうございます。
ピアノとかも弾けるのかな。絶対似合う。
だって、手が大きいし指も綺麗なんだもん!

「勝己君最高!エロい!」

「クソが!きめぇ!」

ドラムの音とともに奏でられる暴言。ニュータイプ!そして素敵なBGM!録画したい。

「……あ!思いついた!」

「どうした?名字?」

「上鳴君、私、A組のプロモーションする!」

「うぇ?」



はじめましてな飯田君に、経営科の文化祭の活動について説明し、私はその企画としてお得意のプロモーションビデオを作りたいと提案すると、彼はカクカクしながら「素晴らしい!ありがとう!」と言った。

カクカク気になるなぁ。
でも、これで取材という大義名分を得たことにより、私は勝己君につきまとえる。最高だ。

とりあえず手始めに、両手でフレームを作って、個性を発動させる。
カシャ、とシャッター音が響くと、勝己君の仏頂面が綺麗に撮れたようで、手首から現像された写真が出てきた。
うん、綺麗。

「名字さんはカメラの個性をお持ちですの?」

「そうだよー、スマホあれば事足りるからあんまりかっこよくないんだけどね!動画も撮影可能です。ギガの制限もありやせん。」

「まぁ、画質もすごくいいですし、センスがおありですわ!爆豪さんの迫力がよく出ています!いい個性ですね!」

「えー、照れる!ありがとう!」

めっちゃ褒めてくれるし、いいお乳をもってるし、八百万さん…今度から心の中で聖母と呼ばせてもらおう。


「ッハ!モブ個性だな。」

鼻で笑うのもよき。さっきも言ったけどマイナスイオンが爆発して、私の中でエストロゲンが放出されちゃう。

「勝己君の写真集作れるすんばらしい個性だもん。」

「肖像権侵害だわ、変態女。」

肖像権侵害とか、語彙力が現れた素敵な暴言。いつもクソとか死ねだけだったから語彙が少なめなのかなって思っててごめんね勝己君!

「PV撮影で許可もらったからセーフですー!」

「タダで許可降りると思うなや、端役が。」

タダじゃないってことは、体で払えってことかな…。
今日のブラジャー何色だっけ。
確か、黒だから…いける!!

「勝己君!私のことを好きにして!!」

「シネカス。」

遠くで峯田君の「エロい…」という声だけが聞こえた。






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