幸福ファーストナイト


※事後のお話

「…敬人…」
「ん…?まだ痛むのか?」
「…いや、そんなには…」

愛する人と初めて繋がった夜。
ズキズキと痛む自身の腰を控えめにさすりながらななしが答える。
敬人はそんなななしの腰の痛みに気付いてか、優しく腰をさする。

「…無理させてすまない…」
「いやいやいや!敬人は悪くないし、それに…気持ちよかったよ…?」
「…っ!!」

敬人はななしの言葉に頬を染めた。

「なっ……ななし…!そんなフォローは要らん…!!」
「フォローじゃなくて本音だよ?」
「っ、ああもう…貴様は…本当に、度し難い…!!」

さらりと返すななしの言葉に益々恥ずかしさを感じた敬人はななしを抱きしめた。
敬人自身も自分がどんな顔をしているのか分からないが、ななしに見せてはいけないような表情をしていることは分かっていた。

「敬人…?」
「も…もう少しこうしててもいいだろうか…?」
「今日は積極的だね?
ヤってときもガツガツしてて童貞っぽくて良かったよ」
「…何故、いい雰囲気の時にそんなことを言うんだ」

敬人は苦笑しつつもななしの頭を優しく撫でる。
いつもは敬人が甘やかすとななしが照れて照れ隠しと言わんばかりに甘いムードから逃げてしまうが、
今日ばかりは疲れたのか大人しく敬人に甘やかされるがままだった。

「…ななし」
「ん?…っう、ん…!?」

敬人が口づけると、ななしは頬を赤らめる。

「…腰、本当は痛いのだろう?」
「…まあ、確かに痛いけど…なんか幸せ、だね。
なんというか、この痛みが敬人と繋がったんだ、って実感出来るというか、蓮巳の女になった…というか」

そう言ってななしはへらりと笑った。

「ん…ごめん、敬人…なんだか眠くなってきた…」
「…無理するな。
初めての相手がななしで良かった。
おやすみ、ななし」

再び口づけ、数秒後にはななしから規則正しい呼吸が聞こえる。
ななしが眠ったのを確認すると、敬人はななしを起こさないようにそっと頬にキスを落とす。

「ななし、愛している…
ななしは前から蓮巳の……俺の大事な女だ…」

幸せそうに眠るななしを見つめながら敬人は優しく微笑んだ。


幸福ファーストナイト



そういうことをするとき、蓮巳先輩は性に貪欲になってもいいんじゃないかなと思いました。
タイトル死ぬほど悩んでこれかい

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あからこ

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