相思相愛
「んー…今日も疲れた…」
せっかくの休日なのに昨日までに終わらなかった仕事をする羽目になってしまった。
仕事が片付いたものの、もうこんな時間だ。
仕事の日に仕事をしていると時間が経つのは遅いが、休日に仕事をすると、あっという間に休日が終わってしまう。
大きく伸びをすると、コンコン、と控えめにドアをノックする音が聞こえた。
「ななし、入るぞ」
「どうぞー」
ドアを開けたのは彼氏である敬人だった。
彼の手にあるお盆の上にはコップがある。
どうやら飲み物を持ってきてくれたらしい。
「仕事は終わりそうか?」
「ん、今丁度終わったところだよ」
「そうか」
敬人は飲み物を乗せたお盆を机に置くと、私のベッドに腰掛けた。
「ななし」
呼ばれただけで、彼がどうしたいのか、意図が読み取れるほど私たちは相思相愛らしい。
敬人の隣に座ると優しく抱き締められる。
「んー…敬人に抱き締められるの気持ちいい…」
「……そう率直に言われると小っ恥ずかしいな。
照れくさい…」
抱き締められているため互いの顔は見えないが、
きっと敬人は言葉通り照れているのだろう。
そうは言っても抱き締めるのをやめないのが、好きなところである。
「敬人」
「なんだ?」
「……なんでもない」
「…………なんだそれは」
少しフッと笑ったかと思えば私の頭に手を回して頭を撫でられる。
「ななしは頑張ってるな。
いつもななしのことを見ているから、俺はななしの頑張りを俺なりに理解はしている。
だが、あまり無理して頑張り過ぎて体調を崩すのは勘弁してくれ。
ななしが倒れたら困るからな。
…まあ、付きっきりで看病するのも悪くは無いがな」
そう言うと私を抱き締めていた腕は解かれ、
お互いの視線がぶつかり合う。
「ななしが頑張る姿を見るのは好きだが、
もし何か困ったら俺に頼ってくれないか。
仕事のことなら出来ることは限られてくるが、俺はななしの力になりたい。
甘えればいい、俺はななしの彼氏なんだ」
私の両頬は敬人の手で覆われ、優しく唇を重ねられる。
「ありがとう。
敬人のお陰で疲れが飛んだよ。
…それにしても、私は敬人に今でも充分甘やかされてると思うんだけどね」
「俺としてはまだまだだがな」
「意外と世話焼きなんだね」
「ななしにだけだ」
言った後に恥ずかしそうに目線を逸らした敬人に、
そんなとこも好きだよ、と告げると敬人は照れくさそうに微笑んだ。
さあ、甘い時間はこれからだ。
相思相愛貴方の1を聞いて10を知れるのは私だけ
パッと思いつきで書きました。
久々に書いたら蓮巳先輩の口調が迷子。
こんな感じ?んんん?
この後滅茶苦茶イチャイチャして欲しい。
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