甘えん坊


とある休日。
彼氏であるアドニス君を私の部屋に呼んだ。
所謂お家デートというものだ。
学院ではお互いスキンシップはあまりとらないが、
今日はその分お互い甘えたくなってしまう。
そんなことを考えているとアドニス君がくしゃくしゃと私の頭を撫でる。
 
「ん?どうしたの?」
 
「いや…無性に撫でたくなった」
 
ベッドに持たれて座るアドニス君の隣に
そっと寄りかかる私。
今とてつもなく幸せ。
きっと今世界一の幸せ者かもしれない。
 
「…嫌だったか?」

アドニス君は少し眉を下げて言うもんだから慌てて否定する。
 
「そんなわけ…!
寧ろもっと撫でていいよ!」
 
「………」

「あ、いや…撫でてください」

アドニス君が驚いた表情で私を見て黙り込んでしまったものだから、
きちんとお願いしてみる。
すると、少し噴き出して

「…ななしは可愛いな」
 
そう言うと私を腕に閉じ込め、
わしゃわしゃと頭を撫でる。
こんなにもアドニス君が近くに…
そう思うと嬉しくて嬉しくて、彼の胸に頬をすり寄せる。
すると頭の上から小さく笑い声が聞こえる。

「ななし…くすぐったい…」

緩んだ腕から顔を上げると顔を赤らめたアドニス君が恥ずかしそうにそっぽ向いた。
かっこいいのに可愛いなんてずるい。
アドニス君のお腹に顔を埋めるようにして腰に腕を回す。

「今日はやけに甘えてくるな」

「甘えたいもん」

顔でお腹にぐりぐりとする。
すると頭の上に大きな手が乗っかってくる。
甘えたくなるのはきっと、君が甘やかしてくれるからだよ。
なんて、恥ずかしくて言えないけど、
きっとそういうことなんだ。


甘えん坊

お互い様ってこと。


イベ走るの疲れたのでちょっと休憩、
ということで私のネタ帳から引っ張ってきたお話。
短いですが。
甘いのはいいぞ〜

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あからこ

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