天使に懺悔のキスを


カツン、カツン

無性に腹が立つ。
放課後の生徒会室。
机をシャーペンでつつきながら、
俺は目の前にある書類を唯ひたすらぼーっと見つめている。

「敬人…大丈夫?」

彼女であるななしが俺を心配そうな目で見つめてくる。
きっと今の俺は虚ろな目をしているのだろう。
その心配そうな彼女の目ですら、今は鬱陶しい。

「これでも飲んで落ち着いて」

コトリ、と机に淹れたてのお茶をななしが置く。
ああ、もう、どうも気持ちが落ち着かん。

「俺は至って落ち着いているが?」

まるで喧嘩腰な口調で言う俺にななしは少し肩を震わせた。

「でも…」

「ああ、もう…!俺のことは放っておけ!」

珍しく俺は怒鳴りあげてしまった。
それと同時に正気に戻り、冷静さが欠けていたことに今更気付く。
するとななしは怯えるように目に涙を溜めて俺を見る。
完全なる俺の自業自得だ。
八つ当たりも甚だしい。
謝罪の言葉を口から紡ごうとするものの、
何といえばいいか分からず、言葉が出ない。

「馬っ鹿じゃないの?」

静かにいつもより低めの声でななしが呟いた。

「敬人って本当に馬鹿。
そんだけイライラしてるなら私にもっと当たればいいじゃない。
放っておけるわけないじゃない。
馬鹿なの?」

怒ったななしを初めて見た。
しかし、彼女の説教にはどこか優しさと温かみを感じる。

「ねぇ、私ってそんなに頼りない?
…そりゃ、パーフェクトな敬人にとっちゃ私なんて…っ────」

ななしの言葉を遮るようにして唇を奪う。

「な、なに…どうしたの…」

「ななしが頼りないからだとか、そういうのではない。
さっきは不本意にななしに八つ当たりしてしまっただけだ。
…………悪かった。
だから、その………本当はななしを傷付けたくないんだが……」

言葉が上手く出てこない。
本当に自分が情けない。
俺はそっと椅子から立ち上がり、
ななしを自分の腕に閉じ込める。

「……大丈夫だよ」

俺より小さい彼女の腕が俺の背中へと回り、
子供のあやす様にポンポンと背中を叩く。

「敬人はお仕事忙しかったもんね。
よく頑張ったね」

ななしへの罪悪感と俺が今まで欲していた言葉に思わず涙が出る。

「今日はいっぱい甘えていいからね」

そう言って微笑む優しい彼女の額に俺は口付けを落とした。


天使に懺悔のキスを

こんな俺でもななしはこれからも愛してくれるのだろうか


カッとなって書きました。
無性にイライラしてたのは、そう私です。
でも書いてる途中にイライラが解消されました。
凄いです。そして凄く内容意味不明です。
そしてタイトル厨二くさい

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あからこ

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