非日常的日常


※キャラ崩壊が酷く、かっこいい人はいません。
流星隊と英智と蓮巳とワチャワチャするだけ。
支離滅裂で全く甘くない。
本当になんでも許せる方向け。


────ガシャン

「ま、まずい……」

形あるものはいつかは壊れる。
そう、偉い人はそんなことを言っていた気がする。
私は粉々になった花瓶を見て絶望した。
ただの花瓶なら良かった。
しかしこれは…

「姫宮君がお家から持ってきたものじゃなかったかな…?」

はい!オワタ!人生オワタ!
これはまずい、まずいぞ。
神崎君から刀借りて切腹しようか。うん、そうしよう。
…っと、その前に花瓶をこのままにしておくのは非常にまずい。
現在この事件は生徒会室で起こっているのだ。
ちなみに、私は生徒会役員であり、流星隊Pでもある。

───ガラッ

「失礼するッス!
…って、姉御?!どうしたッスか!?」

突然生徒会室に乗り込んできたのは流星隊ブラックの南雲鉄虎だ。
とりあえず簡単に現状を説明すると、

「ま、まずいッスよ!
とりあえず謝りに行ったほうがいいッスよ!」

と言うので、私が現場を離れる代わりに彼にお留守番をお願いしよう。

「悪いんだけど鉄虎…」

───ガラッッッッッ

「おお!どうしたどうした?」

「…うわ、見てはいけないものを見てしまった気がするッス…鬱だ…」

お願いする間もなく、また人が増えた。
隊長の守沢千秋とグリーンの高峯翠。

「花瓶が割れているではないか!ななし、怪我はないか?」

「体は大丈夫だけど花瓶のように心も割れそうです」

「よし、俺が抱き締めてやろう…☆」

両手を広げて来る彼に結構です、とお断りだけしておいた。

───ガラッ

「ななし殿!隊長殿との騒ぎ声が聞こえたので来てみたでござるが…
ななし殿…!怪我はござらぬか?
ガラスが散らばって危ないでござる!」

「これは『こうてい』さんの『かびん』ですね」

……またまた増えた。
なんだこれ、流星隊勢揃いしてるじゃないか。
え、つか、ちょっと待って

「奏汰、今なんて?」

「『こうてい』さんの『かびん』ですねって…」

「と、いうことは…」

「「「「「天祥院英智の花瓶!?!?」」」」」

なにこれ、何個臓器売ればいいの?
え、なにこれワロエナイ。

───ガラッ

「おや、ななしちゃん、どうしたの?
僕に会いに来てくれたのかい?」

「あ…」

まさかのご本人様登場。

「よし、ななし。
流星隊はヒーローなんだ、その流星隊のプロデューサーのななしなら
きちんと白状するんだな…☆」

「うう、千秋…あとで覚えてなさいよ」

自業自得とわかっていつつも、煽ってくる千秋に少し腹が立った。
すると、床に散らばった粉々の花瓶をじっと見つめる英智。

「あ、あの…英智、ごめんなさい…実は花瓶割っちゃって……」

すると、英智は眉間に皺を寄せて口を開いた。

「……これは昔僕の祖先が海外から貿易で仕入れた高価な花瓶なんだ……」

「ご、ごめんなさい…バイトして弁償を───」

「いや、そんな額ではないんだ」

とんでもないことをしてしまったと、今更ながら心底実感した。

「じゃ、じゃあ…臓器売ります…」

「「「「「「!?」」」」」」

涙をボロボロと流しそう言うと、
英智はハンカチを取り出し、私の涙をそっと拭った。

「そんなことしなくても、もっといい方法があるよ」

彼の綺麗な瞳を見つめるとニコリと微笑んで、

「そうだなあ…正直ななしちゃんが一生稼いだら元は取れそうだから、
元が取れるまで僕の家で働いてもらおうか。
でも、召使いとかじゃなくて、後の僕の婚約者として、ね?」

「え…?」

なにこれプロポーズ?
え、そもそもそれでいいのか?
いや待て、いやどういうことなの?

───ガラッ

「英智、遅くなったすまな……貴様らは、本当に度し難い」

入って早々カチキレた副会長の蓮巳が現れた。

「さっさと花瓶を処分しろ」

「え、でも…英智にとって大切な花瓶なんでしょ?
なんだか勿体ないじゃん…」

私がそう言うと蓮巳の表情が少し和らいだ。

「……英智、俺があげた花瓶をそんなに大切にしてくれてたとは…」

「「「「「「は?」」」」」」

「え?英智の祖先が貿易で仕入れた花瓶じゃないの?」

「何を言ってる。この花瓶は俺の親戚が趣味で作ったものだ。
俺はあまり自分の好みではなかったが、英智が好みそうな花瓶だから渡しただけだ」

「えーいーちー………」

英智の方を見るものの既に彼はいない。

「よし、流星隊出動!悪は生徒会会長、天祥院英智だ!」

変な嘘つきやがって、もう!
その日天祥院英智は流星隊から学院中を追いかけられ、
いつの間にやらリムジンで家に帰宅してたそうです。
覚えてなさい、天祥院英智。

(ああ、もう少しでななしちゃんを手に入れられそうだったのに。
でもいつか手に入れるから、覚悟しててね?
ななしちゃん)

そんなことを彼が思っているなんて私はこの時知らなかった。


非日常的日常


職場で花瓶を割った時に思いついたネタ。
先輩に謝ったものの
「あ、それ大丈夫、100円よ」
と言われた私の話でもしますか?

グダグダですいません。
流星隊のメンバーに慰められたいと思って書いたら
もはや流星隊というより英智夢だわ。
しかも甘さ0%

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あからこ

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