暴君との軟禁生活 | ナノ

あたたかい食卓

まただ、今日もだ。

「うう…昨日と同じ時間に起きちゃった」

ちょっと反省しつつリビングに行くと

「おはよう!ななし!」

あれ?小平太がいる。
今日は平日だから学校に行ってるはずなのに…

「今日は創立記念日で学校が休みなんだ」

まるで私の心を読んだかのように小平太は言った。
感心しつつ不思議に思っていると、

「ななしは分かりやすいからな!」

…それは小平太もだと思う。

「ななし、そろそろ飯ができるぞ。
席に座って待っててくれ」

小平太はそう言ってキッチンに向かった。
そういや、小平太って料理できるんだね。
ここで暮らし始めてから知ったため、一緒に暮らす前は料理なんてしなさそうなイメージだった。
でも、美味しいしバランスの取れたメニューになっていて感心した。
これは素敵なギャップだと思う。

「ななし!できたぞ!」

小平太が料理を机に運んでくる。
私も手伝いたいけど、小平太が手伝わせてくれないため席に座って小平太を眺めることしか出来ない。
全部料理が運ばれてくると私の向かい側に小平太が座った。

「いただきまーす!」

「いただきます。
…ところで、小平太っていつから料理ができるようになったの?」

もぐもぐと早速ご飯を食べている小平太に問いかければ、

「うーん、そうだなあ。忘れた!
…でも、確か長次があのとき…あ!2ヶ月前だ!」

そう答えて再びご飯を食べ始めた。
思っていたより結構最近だった。
どうしてそんな簡単に料理ができるようになったのか、
長次とはだれなのか、疑問が出てくるばかりだ。
考え込んでいると

「ななし!飯が冷めてしまうぞ!」

と小平太が言うので考えることをやめて美味しい小平太の手料理を食べ始めた。



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