楽しみの一つ
あれから立花君と小平太に体のサイズを測ってもらっている。
立花君ひとりで測れるみたいだけど、放置されて寂しくなったのか小平太が
「私も仙蔵の手伝いをしたい!」
と言い出し小平太も手伝ってくれることになった。
でも…
「小平太、メジャーのそこを持っててくれ」
「わかった!」
「ちょ、小平太…!そんなとこ触らないで!くすぐったい…!」
「あ!…はあ…ななしさん動かないでください」
私が身をよじると立花君に怒られてしまった。
小さくすみません、と謝る。
こんなことが何度も起き気づけば2時間は経っていた。
「はあ…測ってもらっただけなのに、なんだか疲れちゃったよ…」
「私は楽しかったけどな!」
「小平太…お前のせいでこんなに時間がかかってしまったではないか!」
「いやあ、すまんすまん!ま、細かいことは気にするな!」
そんな小平太への態度に立花君はお怒りにようだ。
でも、オーラを撒き散らす程度に堪えられるなんてすごいなあ、なんて思っていたら
「では、ななしさん。
私はこれで失礼しますので服が出来上がり次第お持ちいたしますので、
楽しみにしていてくださいね。」
そういって立花君は帰っていった。
彼は一体どんな服を作ってくれるんだろう。
楽しみの一つ
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