恩人小平太
私が目を覚ますと、そこには見覚えの無い天井があった。
「…ここどこ?」
どうやらベッドで寝ていたらしい。
上半身を起こし、周りをみてみるとバレーボールやらダンベル、漫画本がある。
そんなことより…
「私、確かランニングをしようと外に出て迷子になってたんだっけ?」
そしたら誰かに担がれて…
あれ?そこからの記憶が無い。
必死に思い出そうとしているとドタドタと足音が聞こえた。
え?誰か来る…?
そう思ったときには既にドアが開いていた。
「おう!ななし!目が覚めたか?」
部屋の入り口に立っていたのは、友達である七松小平太だった。
「え?小平太?」
私が驚いていると、私が座っているベッドの横にある椅子に腰掛けにっこりと笑った。
「私が鍛錬していたらななしがいたんだ。
でも、あの辺りは危険だからあの場から離れさせないといけないと思ってな。
それに、女性があんな時間に外にいたら尚更危ないだろ?」
お、おお…小平太イケメンかよ。
ってことは、小平太は私のこと助けてくれたんだ。
「ありがとう、小平太」
そういうと小平太は照れくさそうに笑った。
恩人小平太
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