おまけ話
あかり
あの後、北斗君はお礼を言って生徒会室を出て行った。
いや、まさか…ポリデン〇だったなんて…
「まあ、氷鷹も大変なのだろう…。
朝、寝ぼけて自分の祖母の物をポケットに入れるほど疲れているようだからな」
「…そうだね。
で、それにしても英智君は全然驚いてないよね」
私が英智君を見ると普通にニコニコしていた。
「ん?だって、僕は初めからあれはゴムじゃないことを知っていたからね」
いやいやいや、最初にゴムだとか言い出したの君じゃないか。
内心ツッコミを入れると、私の心中を察したのか
「だって、君たちは進展したって話が全然ないからね。
少しでもそういうの意識してくれたらいいな、って思ったんだよ。
ほんの少しの僕の後押しのつもりなんだけどね」
「英智…貴様…」
英智君の言葉に敬人は溜息をついた。
「おっと、敬人のお説教が始まる前に僕はその辺に面白そうな物がないか校内探索して来るね」
そう言って英智君は生徒会室を出て行った。
スマートに敬人から逃げられるのは彼くらいだろう。
「おい」
感心していると、不意に敬人に腕を引っ張られ、足がふらつき、敬人にもたれ掛かってしまう。
「…今日、俺の両親はいないんだが……」
いつもより低めの声で耳元で囁かれる。
やっぱり英智君の言った通り意識してるんだ。
彼のお誘いに素直に頷くことしか出来ない私だった。