※イラストは公式イラストレーターの來住さんによるものと、読者の方に頂いたものと依頼した絵があるので著作権諸々の理由で現時点での使用は禁止でお願いします。

がっつり長文れす!自分きっしょ(笑)

お友達口調だと不真面目に捉えられないか不安だったので、親しく愛称で呼び合う間柄の方も文面では「〜様」とか「〜氏」で統一しています。テンションは高いけど。キャラの中で一番〜は小ネタだと思って下さい、たまに暗い背景が語られるので癒し要素で。



前島周作 as 只野タカノブ


まえじま


キャラの中で一番、腕相撲が弱い

彼を筆頭に昭和組は時代背景もあって、一気にシリアスでどんよりとした静けさが目立つ。愚鈍だけど純朴で、真摯に患者と向き合う彼の姿に必然的に視点は彼に近くなるのだろうが、もう一人の医師・高桑の考えの方が正しいという人もいるんでしょう。時代と場所が違えば、同じ人間であっても倫理・価値観は変わってしまうのだから、どっちが間違いとかの話じゃない。戦時下という狂気に満ちた時代とあっては、例え医者といえども人命に対して感覚や良心が麻痺してしまうものなんでしょうかね。医療ミスを隠蔽、人体実験とも取れる行い、物資の少なさと戦争の二文字が招くぎすぎすした人間関係の病院。生意気な意見だけど、自分が医療に携わるような能力があってもこの病院では働きたくねぇなあ〜。そんな中でも飽くまでも純粋に誰かを助けたい、真人間の前島。彼はどこまでも優しい人間で、それゆえにいつ心が潰されてもおかしくないんだけど、葛藤しながらも真剣に患者達と接している。戦争で死ぬか、病院で死ぬか、どっちがマシかなんていう過程は絶対にしない。只、多くの人に生き残ってほしいだけだ。でも、言い換えてみれば、「死なせてあげた方が楽」という状態の人を無理やり生かし続ける、っていうのも別の視点から見ればいかがなものかという部分はあるよね。うーん気持ちが沈みそうなので、あんまり暗い話はこの辺で終わらせた方が賢明だ。

そんな唯一の良心的存在の前島だけど、最初の方にちょこっと応募はあったけど恐らく『訛り』という縛りがハードルが高い。加えてこの陰鬱な時代背景、専門知識も多少なりと理解が必要な医師という立場。初めは、お、と思ったんだけど中盤以降の応募率は右肩下がりで、加えて票が神代っちに割れるのもあってか後半はほぼゼロであった。なので、PC前でゲンドウ司令官の如く険しい表情をさせていた私とスカイプ越しの飴山。そんな時、飴山がふと提案をする。

「なあ……、只野さんの声質なら合うんじゃないの? あ、これ別に前やんと前島の前同士をかけてるんじゃないからね」

後半は蛇足だが、確かに前作のアポカリプスにて真人間キャラの前やん役を熱演した只野氏なら……!! という事で、希望外からではありますが、依頼してみてアラびっくり。飴山さんナイス! ナイスシュートです! 何の違和感もないです! 訛りもすげぇしっくりきてまーす!! というわけで、もう後光が差したようでしたね。飴山さんとガッツポーズしたくなりましたよ、声を聴いた瞬間。昭和組のストーリー展開は、偏差値貧乏の黒井ワールドの中における貴重な社会派劇として進んでいくので、只野氏の演技力なら格調高くなりそうで大変いいですよね。陰鬱な世界だけど、看護婦のみっちゃんとのひと時のロマンスなサブストーリーも、嫌味なく、且つ卒なくこなしてくれそうです。かくして二代目前やんの名はまた一度、只野氏が継ぐ事となった。「二代目前やんブラザーズだね」って言ったら飴山さんが「只野さん的には時間軸的に初代じゃないのかって言ってる」と報告してきて、いや別にどっちでもいいじゃねえかって会話がとても楽しかった。前島君、ものすごく重たいテーマしょってるだけに難儀な役ではあるだろうけど、人類の希望だからな。大事に扱っていきたいですね。ちなみに兼任で、エキストラで一部であっさり死んじゃう「江島」先生役も演じて貰います。ほんと、命を粗末にしてるのかそうじゃないのかこの話は(笑)。



高桑壮一郎 as 水月そあ


takakuwa.png

キャラの中で一番、実は親友の男が好きで、でもそいつには恋人がいて三人の関係を壊したくない……やけくそ交じりにまた別の友人の妻とワンナイトラブってお前現代に生きてたら絶対ツイッタラーだろ!?枠

前島とは医療に対する姿勢が正反対で、人の命の重さをどう比べるのか、命と向き合う人間としての悲しい矛盾にぶつかる、これまたむつかしい役どころだ。前島と比べるととてもニヒリストで、「戦争で死ぬよりマシじゃないか」と言い放ち、そういう問題じゃないだろうと心情を掲げる前島とは真っ向から主張が食い違う。とにかく、こんな時代のこんな医者だから、自分達はこうしているんだ。そう言い聞かせないと、やっていられなかったんだろう。彼もまた悲しい時代の被害者である。更に悲しいのは、そんな前島に母性本能くすぐられるのか性別を飛び越えて愛情を持っちゃっている所だ。しかも彼女いるし。勝ち目ほとんどゼロ。

なんちゃって訛り枠なのでこれまたキビチー所かと思いきや割と集まりが良かったね。イケメンだからなんだろうか。初め來住さんにデザインしてもらった時、こう、脱いでないけど色気駄々洩れなセクシーが服着て歩いてる感じにしてほしかったので(どこを縦読み?)、某俳優の写真とこの色気を参考にしてください! と元気よく投げたら予想以上に美形だったよね。コイニハッテンシテモエエヤナイデスカ……、ファンが怒ったら怖いから言えないけどその俳優の顔は私そんなに好みじゃないんですが、來住様が絵にするとこんなに色気いっぱいオブジョイトイになるんですね!/(^o^)\閑話休題、それでそこそこ集まっていた高桑君を射止めたのは水月氏でしたね。え、ちょっとやだ……何この滲み出る色気……コイニハッテンシテモエエヤナイデスカ(KIMOI)。ぶっちゃけ訛りってカッペっぽく聞こえる要素なのに、それさえも魅力にしてしまえる、この強さよ。高い壁をあっさりとポーンと飛び越えてきちゃったよね。昭和組の男性キャラは訛り縛りと背景のせいで最後の方まで決まらないだろうな、って飴山さんと覚悟していたのですが早々に決まりました。これしかないでしょうよ、って重力に吸い込まれるように決定でした。純朴そうな前島との対比も考えると、非常にいいバランスです。前島とは、残された微かな希望から、未来が救えるようにとケイ達とは違う場所から違う戦いに挑む彼らですが二人とも先に起こした隠蔽や人体実験とも取れる患者への扱い、色んな罪悪感と同じ贖罪の気持ちを抱えてるんですよね。高桑の方は、前島とちょっと思考回路が根本的に違うので純粋に人を救いたいという気持ちと並行して医療の知識を高めたい、っていう目的が生まれちゃって、それが希望に繋がるか絶望に転ぶか危ないんだよな。昭和編は重苦しい二部から始まって、三部からケイちゃんと合流することになるんだけど、たのちみですね。あの薄暗い雰囲気をどう再現するんだろうって自分も楽しみです。



大場みつ子 as 口谷亜夜


みつこ

キャラの中で一番、怒らせると怖い

前島の恋人で、とても優しいお姉さん。彼女も良心的存在だけどそれゆえに色んなしがらみに苦しんでしまう黒井被害者の会の一人だ。医療ミスを隠蔽した時には堪え切れず泣き出し、前島が担当する『おっちゃん』の介護をする時には多くの患者と向き合って人並み以上の耐性がある彼女でさえ「目の前にこんな状態の人がいて、でも次々剥がれていく皮膚や角膜を直して、目からは血の涙みたいなのを流していて、でも染色体そのもがぐちゃぐちゃに破壊されているため細胞が機能せず、追いつかなくて、私達は治療というよりもこの人の身体を守っていくって考えるしか――」と生々しいモノローグを読むことが出来るが、前島の恋人なだけあって彼女もまた人格者なのである。どうにかしたいと思いながら、でもどこか諦観したように疲れ切っている。健気におっちゃんの治療に当たっていたみつ子だったがいよいよゾンビ化した『おっちゃん』に食らいつかれ、おっちゃんを媒介しいよいよ島に感染が広がり始める。気丈にもみつ子だけは最後まで被災者の手当てに回るんだけど、最後は前島の腕の中で失血死してしまう。何とも報われない最期である。おまけにゾンビとして立ち上がって襲ってくるので耐え難い。そんな彼女がDVD一巻目の表紙なのだが、ゾンビ化しても美人&ここへきてようやくゾンビものっぽいジャケットになったね(笑)。

みつ子ちゃんは先述した通り優しい女性なので、求める声質も優しくて患者さんの心のよりどころのような存在じゃないと駄目だよね。口谷様のお声はまさしく、THE・白衣の天使って感じで、訛りも上手いしあの時代の素朴な美人さんって、想像だけどこんな感じなのかなーって漠然と感じさせてくれました。みつ子可愛いよみつ子。私程の人格破綻者になると、ゾンビ映画でTPO弁えずいちゃつくカップルは即餌にされろ! 若しくはジェイソンかレザーフェイスかブギーマンに八つ裂きにされてまえ! 何ならチャッキーでもいい! と殺人鬼側を応援するのですが(クソすぎる)、この二方なら応援してあげたいし守ってあげたいし物語改変したくなっちゃうんですがそうはいかない。つらい。本気で申し訳なくなるくらいに二人とも純粋すぎてその後に待ち受ける展開の悲しさを誘う。けど、そのくらい凄惨にしないと痛みも悲しみも伝わらないですし、こんな陰鬱な世界をわざわざドラマにしなくていいでしょう。ってなるわけです。本作は復讐に囚われている人が多くいるけど、選考台詞に彼女の散り際の台詞を入れておいたんですが、その言葉が前島に大きく影響をもたらしたんでしょう。彼はそこで復讐心にはいかず、もうこれ以上彼女のような犠牲者を出したくないと誓います。偶然なのか、考え方にせよケイと被る部分が大きいですね。ダン君も最期の台詞を重要視していたけど、みつ子ちゃんにも同じ事が言えました。まだ〆切当面先なのに口谷様より音声を既に頂きましたが、彼女の純粋さが出ていて切なかったです。自分の罪に堪えきれず泣き出してしまうシーンは、特定の宗教を持たない人達にとっては命とは何なのか考えこんでしまえばいいのである。



山瀬保則 as 御厨イツキ


キャラの中で一番、時代が時代なら乗ってる車はレ●サス

院長という座をしたたかに狙う、腕前は確かなんだけどちょっと癖のある教授ですね。戦争という背景を逆手にとって好き勝手やってる、火事場泥棒みたいな面は否めません。野村聡美みたいな富豪の娘さんを優先して手術してやる辺りも自分の名を上げたい感じがひしひし伝わってきて、ある意味人間臭いです。でもそのくらいのハートがないとのし上がれないのが人間なわけで。辺りに当たり前のように瀰漫している死の気配にすっかり麻痺しちゃってるのか、そんな野村夫人をミスで死なせてしまった責任も戦争中だったから、の言葉でもみ消されそうな気配。こんな世の中だから、って言い訳も準備できる。終いにゃあ、全部この人のせいで前作の孤島もおかしな事になっちゃってた事が判明する。

御厨様の教授ですが彼の代名詞(?)でもある、狂ったように叫ぶ「ガーゼ! ガーゼ! ガーゼだ!!」のヤバさですよね。もう聞いてるこっちが狂いそうになるし怖い。一緒に手術してた人もさぞかし気が狂いそうだったに違いない、と思う生々しさ。声だけで良かったよ、これで映像とかついてたら怖すぎる。アニメよりリアル路線を目指している癖になんちゅう発言だと思いますが。いい意味で気持ち悪くなって、陰鬱な雰囲気を更に醸し出すのに功を奏していたんです。何か絶叫と一緒に流れてるんであろう血に色がついてそうで怖かったんだよ……、戦争という殺し殺されの状況で、手段こそ違えど人の命を奪った事には違いないよなぁ。ネタバレなので伏せますがこのシト、最終的にはちょっとネタっぽくなっちゃうんだけど何となく救われるような、和まされるような……。



長谷部タエ as 江井みゆき


キャラの中で一番、一円単位までばっちり割り勘する。

ぎすぎすした人間関係にいる人物ですね。看護婦長なんだけど、機械っぽくて人間味がない。実は山瀬の事が好きで、だからこそ彼の指示する事に何の異も唱えず従う彼女。それを知ったみつ子は、ひどく嫌悪感を持ってしまう。まあ、嫌だよな何だか。公私を分けたまえ、と率直に思うけどきちんと仕事はこなすエリートですからね。この人。だから余計に扱いづらい。正論なんだけどもう少し言いようがあるだろって言い方で話ややこしくするかつての女上司を思い出す。このヒリヒリ感を見事としか言いようのない冷たさで演じていた江井様の長谷部看護婦長。本当にロボットみたいで、でも棒読みとかそんなんじゃなくて本当に業務的。うへぇ、って恐ろしくなった。言ってる事は間違いじゃないから、沈黙せざるを得ないこの気まずさ。味わった事あります?? 私ある。だから余計に、江井様の氷のような台詞回しには背筋が冷たくなりました。ある意味フラッシュバックってやつでしょうか。聞いた瞬間、思わずブルブルしましたよ。突然物語は昭和にトリップして雰囲気もがらっと変わるので、江井様には昭和開始のおどろおどろしいナレーションもお任せしてあります。いや〜これがまた怖くて、ともかく雰囲気が最高なんですよ。サンプル頂いたのですが、岸田今日子っぽくて凄い。びっくりさせるだけがホラーじゃないね。こういう神経に直接抉り込んでくるようなホラーがやっぱりいいよね。感情移入さえ許さないような、乾いた感じが見事でした。




おっちゃん as 馬場輝(希望外)


キャラの中で一番、何にでも醤油

絶望的な世界の中で、更に重たくしてしまうオッサン。人体実験とも取れる彼へのおぞましい扱いに、前島もみつ子も言葉を失くすが、あまりに死というものに慣れ過ぎた人々にとっては患者はどうせ死ぬんだから……っていう感じなんでしょうね。戦争で焼けて死ぬより、実験に回す方が医療の発展に繋がる。皮肉だけど昔からよく言いますよね、戦争が起きると同時に医療は大きく向上するみたいな、そういう話。おっちゃんはまさしくその贄にされたわけだけど、前島にとっては初めて任された患者というのもあってなのかこのおっさんの存在がとても大きく影響されてくるんだよね。
馬場様の声質的に、中年ボイスも上手そうだなあ……と思いまして厚かましくも希望外からご依頼してみました。兼任でいくつか既に男性ボイスは頂いているんですが、どれも卒がないんですよね。エキストラの方と被るのでこちらで書きますが、これまたケイにとって同じような存在でもあるホームレスのゲンタを演じて貰いますが、何となくキャラも立ち位置も似てます。現代と昭和それぞれの主人公に影響をもたらす、そんな存在ですね。どっちも訴えるものが大きいだけに突き刺さるものがあります。ゲンタさんの音声もすでに頂いていますが、若者と老人の使い分けが上手いので、他のキャラとこれは同じ人なのか!?と迷う事が多々あった(笑)。頂いた音声ファイルは全部同じフォルダに入れるので、その時に聞くと本気でわからなくなるから凄い。



ニナ as 林子


キャラの中で一番、手首の傷が勲章みたいなタイプ

ドルバッキーの妹で、彼の人生を大きく変える存在ですね。序盤ではちらっと出てくるだけですが後半彼の過去で彼女の存在が大きく映されます。物凄く兄に依存してるんだけど、ここがちょっとミスリードというか……ドル兄もニナちゃんも母親にはネグレクトされて、挙句父はまだ幼いニナに性的虐待を加える。ドルバッキーは実の父をその手で殺害するのだけど、ニナはそのせいで親戚中をたらい回しにされてその先で893の情婦として売り飛ばされてしまう。いつどこから哀川翔が出てきてもおかしくない雰囲気だ。ニナは最初お兄ちゃん大好きだったけど、本当に依存していたのはむしろ兄の方だったんだよな。ドルバッキーは少年院から出てきたらきっとニナが笑って迎えてくれると思ってたんだけど、待っていたのはまさかの拒絶だったわけで、しかもニナは自殺。その後ドルバッキーは「俺の人生は何だったんだよ」と漏らすけど、こういう人達と関わった事がないので何とも申せません。(えっ)

それで、ブラコン妹キャラかと思いきや少し違ったニナちゃん。林子様は非常に可愛らしい無垢なイメージで演じております。何と言うか、ドルバッキーの中の彼女って常に時が止まっててずっとこうなんでしょう、っていうか、彼が思い描くニナの姿はこうなんだろうな……って声の向こう側に感じてしまった。彼の記憶ではいつまでも純粋無垢なままの少女なんです。でも、現実は違った。それを受け入れたくない兄。南雲双子とは似ているようで非なる、そんな関係。おれたちも林子様の穢れを知らない聖少女のような微笑みにひれ伏そう。
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