※イラストは公式イラストレーターの來住さんによるものと、読者の方に頂いたものと依頼した絵があるので著作権諸々の理由で現時点での使用は禁止でお願いします。

がっつり長文れす!自分きっしょ(笑)

お友達口調だと不真面目に捉えられないか不安だったので、親しく愛称で呼び合う間柄の方も文面では「〜様」とか「〜氏」で統一しています。テンションは高いけど。キャラの中で一番〜は小ネタだと思って下さい、たまに暗い背景が語られるので癒し要素で。




アブドゥル=アルハザード as 杜和佑紗




キャラの中で一番、部屋が汚い。

「アブドル・アルハズラット」とも表記されるんだけど、一般的には「アブドゥル」の方が主流なようですし、こちらで。ネクロノミコンの作者として有名な妖術師ですが、ラヴクラフト本人は自分自身をモデルにしてるのでは? なんて言われています。貴重なクトゥルフ映画の中に『ネクロノミカン(誤字じゃなくこのタイトル)』がありますが、何とこの映画ラヴクラフト本人のキャラががいわゆる世にも奇妙な物語でいう所のタモさんみたいなポジションで登場します。で、最後は危険だからと封印されていたネクロノミコンをちゃっかり持ち帰っちゃってご満悦。うん、作者最強。ちなみにこの映画は……うーん、熱心なラヴクラフト好き程見ない方がいいかもですね〜。オムニバスですが、一話目以外はあまりクトゥルフ感はないんですよ。邪神のじゃの字もありません。おんなじクトゥルフ映画なら『DAGON』か『マウス・オブ・マッドネス』辺りを薦める。後者はクトゥルフ映画ではないが雰囲気は近いし多分下敷きにあるのはクトゥルフ神話だろうなと。

んで、アルちゃんだけど作者の趣味がかなり介入してまさかの女子と化しています。本当なら普通におっちゃん或いはおじいちゃんなんでしょう(笑)。まぁでも一部のマニアでもない限り、きっと可愛い女の子の方がいいでしょう。そらそうよ。元男性、という事でここは一つ。そんなわけで神をも恐れぬ性別変換ですが、ナースキャップみたいの被ってて初音ミクみたいな長いツインテールにしよ! あと魔女っ娘っぽくしよ! ついでに魔導書とか持たせよ!! それっぽいし!!!! 魔法少女好きだし!!!! そして性格は私の和製ゾンビ映画ではトップクラスに大好きな作品である『ステーシー』の詠子ちゃん、加藤夏希ちゃんモデルにしよ!! 不思議っこバンザーイ!! と言う感じで。……あえてこの詠子ちゃん路線は伏せておきまして(というか自分の中で集まった声質がどんな路線か知りたかった。あまり元ネタ表記しちゃうと声真似になっちゃうかもしれないし、応募者様の個性が分からないですし)どういう方向性がいいのかなぁ、とあれこれ悩みつつの応募でしたがアルちゃんは女子の中でもトップクラスに応募数が殺到してました。自分の中では結構意外というか、セラエノ断章辺りに集中すると思っていたので(勿論この子も多かったけど)意外や意外、一日一通は来る〜!?ってくらい。しかもどれもいいんですよね。あぁ、こういうのもいいなあ。そういうのもいいなぁ。って、これ以上私を悩ますんじゃねぇ〜〜!!ってくらいレベルの高いものが集まっていました。ハキハキした元気っ子路線や、恐らくオリヴィアとのバランスを考えて幼さを強調したもの、無邪気さを出したもの、知的なもの。本当に沢山あって。私も及び腰で選考しちゃいけねえ、と真摯に向き合っていました。

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それで、杜和さんは『LSD』では女性キャラでは初とも言える絶対悪の美少女・佐竹櫻子を演じていました。彼女に関わった人がこれでもかというくらい不幸に陥っていく、地獄に引きずり込んでいくまるで化け物のような存在。生まれながらの化け物なのか、それとも何かが彼女をそうさせたのか。父の一郎も母の郁美も、不器用ながらそんな娘を愛そうとし、「俺くん」も只々純粋に櫻子を愛していました。けれどもその愛情は粉々にされていく。櫻子は時々、ほがらかにくすくすとに笑っていました。彼女は人々を滅茶苦茶にするという悪行をやめませんでした。……その理由は、私達の知らない場所で、何かがあったからなのでしょうか。ひょっとすると不幸な少女だったのでしょうか。しかし、彼女の静かに狂気に沈んだ笑い声を聞くと、やはり彼女は生まれながらのサディスト或いはサイコパスなのかもしれません。その目的は何なのでしょう? スピンオフ「キリングジョーク」(M3にて頒布済み。web上アップはもう少し待ってね!)では同じよう絶望に沈まされたクレメンザとカネコの姿をクズ同士がどうなろうか知ったこっちゃねぇとばかりにクスクスと笑う、只それだけの演技なのに、「あぁ、やっぱり私は普通に生きていてぇなあ」と思わせる説得力に満ちていました。

今回のアルは正反対に、「全部許すよ」「笑いたかったら笑えばいいんだよ」「私は貴方達が大好きよ」と常に微笑みを絶やしません。杜和さんの優し気な棘のない聖母のような声質で、それで、試しにちょっと抑状態な、クスクス笑いを交えた詠子ちゃんのようなイメージでのアルのサンプルをお願いしました。YouTubeに販促動画があるので、これほんっとグロいんだけど、申し訳ないと思いつつ杜和様にはきついかなと思いつつ見て頂いた。徹底しないと役者さんにも失礼だと思いますし、エロ、グロ、バイオレンスに狂気とタブー満載の本作を作る意味が薄れる。ぶっ飛んだ女の子であるという点は変わりがないのですが、またちょっとニュアンスが変わって来るから難しいかな……と思いましたが、あっさり飛び越えてきちゃったんですよね。こういうちょっと頭のゆるふわな子は三度見するくらいの魅力がないと駄目なんですよ……そうでなきゃ、視聴者に痛みや悲しみは伝わらない。LSDで見せてくれた演技の、心がちょっとざわつく感じを最大限に受け継いだ魅力と演技力でアルを表現してくれました。杜和様のような柔らかさを除いたトーンで、「別に泣いてもいいんですよ」と嘯くと、その先にある展開を追っていけば只の心のない人間達の虚しい顛末のように感じられてしまうかもしれない。少しふんわりした杜和さんが囁く「泣いてもいいんですよ」は、自分の因果を多くの人達に受け継がせてしまったが故の、彼女に出来るせめてもの贖罪のようで切なかったです。


「あなたがいくら私を憎んだって、いいんですよ。……けど……けど、いつかまた、私と出会ってくださいね」





オリヴィア as 悠月美鈴




キャラの中で一番、ミニマリスト。

『LSD』ではこわーいお姉さん、スカーレット様を圧巻の演技力で絶賛好演中の悠月美鈴様。怖さの系統は違うんですが、櫻子さんと同じくおっとろしい悪女です。本職ヤクザなのでは(失礼)というくらいの、アウトレイジで言う所「この野郎」ばりのコエェエ怒鳴り声、誰もが身震いするような残忍さをある意味エンタテイメントにまで仕上げているのは、悠月様率いる皆さんの演技力の高さがなせる技でしょう。己の正義感で動いているはずのキャラが結果誰かの死を招いてしまったり、誰かの不幸を腹の底では喜んでいたり、もはや誰が凶悪なのか分からない、それが『LSD』。

ありますよね。犯罪や暴力に巻き込まれたくないし怯えながら生きてるんだけど、その一方で他人事だったら興味を持ったり「怖いね〜」なんつって心躍らせたりもする。私は性格がクソなのでツイッター上で専業主婦と兼業主婦がレスバしてるのを見るのが面白くて大好きなんですが、ああいう負の感情もそうなのではないかと思う。いや、違うか。


がっつりネタバレ注意


それでなんだけど、またもや正反対に聖女のような女性・オリヴィアに抜擢された悠月様。本当に見事なまでに反対。けど、内心では彼女もまた復讐のメビウスの輪から抜け出せない哀れな人物です。殺された家族の為に、冷酷無比なクラウンの弱みに付け込もうとしている。それも、あまりに無慈悲な彼のトラウマを利用しようとしているんです。……果たしてその行いは『聖女』と呼べるんでしょうか? 神代も言った通り「聖女面した女程信用していない」という言葉にせよ、狂気のメーターがカチ壊れた末に芹沢が吐いた「お前らもホントは楽しいくせに!」という台詞は理にかなってると言えるんだよね。だけど、だからって自分の罪の大きさをほとんど自覚もせず謝罪もしない相手を実にあっさりと殺したって被害者も家族も報われない。憎い相手が死んだって事や、その周囲が悲しむ事で多少の満足感があるかもしれないけど、それじゃあ裁きとしては甘いんだよな。そこで彼女は、悪魔のようなこのクラウンを普通に殺すだけじゃあ怒りは収まらない、同じような生き地獄を背負わせたい。まずはこの悪魔を人間に戻してから、じっくりとその辛さを噛み締めさせてやんよ!! ってなもんで。命よりも愛している娘が、次は自分のせいで亡くなれば、この男は一生消えない傷を背負い、永遠に泣く事も忘れ苦しみ続けるだろう。心が壊れ、魂が死んで、抜け殻のようになればいい。それがオリヴィアが誓った復讐でした。

アルやケイに協力してもらいつつ、この復讐を完成させようとするオリヴィアと、けれど何とかしてそれを止める事はできないのかと純粋に願うケイ。ケイちゃんは唯一、復讐は何も生み出さないという事をよく知っている。罪を憎んでその人を憎んじゃダメだと思っている。それはまだ彼女が人生経験を積んでいない若い少女だというのもあるかもしれないし、人によっては「チョロい」のかもしれないけど彼女はダンや彩乃が死んだ時も、別世界の自分やその友人が死んだのを知った時も、決して恨み言は吐きませんでした。神様というような薄ぼんやりした存在に対して毒づいてはいたけど、只、それ以上同じような思いをする人間を作りたくないという事しか言っていません。アルはこの時、飽くまで中立の視点でものを捉えている。オリヴィアの為でもなく自分の為でもなくクラウンの為でもなく、それを止めようとはしないし口出しもしない。只、ケイには「悩まないで下さい。悩めば、もっと沢山の人が死んでしまうかもしれないから」とだけは口添えする。ケイの言葉にも、オリヴィアはコーデリアの姿を借りたままで、決して揺らぐ事なく復讐を完成させようとしました。しかし、さぁいざって時に彼女の心に迷いが生じます。ケイの説得や、疑似家族として過ごして多少の情が沸いた事や、コーデリアがあまりに凄惨な形で殺されあまつさえ自分は彼女の身体を利用して二度目の死を与えようとしている事や、何より彼女自身が優しかったからでしょう。ここへ来て彼女は悪魔だと称していた男に憐れみを抱いてしまう。やりきれねーなぁ、もう。アルはそんな彼女を「彼女の死は自殺でも他殺でもないの。神へ貢物を捧げるような、儀式みたいなものだから」、と、やはり第三者のような言葉で表し、元より「こんな凶事が全部神のせいなら、神様ってイケてない奴だわ」と嫌悪感を示していたケイは更に絶望してしまう。

悠月様のオリヴィアは本当に、ゆったりとした優し気なお姉さん口調で、ここまでは皆さんイメージしやすかったんだろうなと思います。応募率もアルに次いで殺到していた彼女ですが、イラストのイメージも優しい女性という設定も思い浮かびやすかったんでしょう。で、問題は彼女のそんな先述したような重たい葛藤の表れがいかに表現されているか。もう、これに尽きるんですね。これが表現できないと物語のテーマでもある『復讐』が成り立たないから。

そんな葛藤の詰まっていたのが選考台詞の4番目ですけど、演技指定ではあえて「涙ぐみながら」とかは入れなかったんですよ。底意地が悪いですが、演じている方がどこまで彼女の葛藤を理解できているのかな、と少し試したかったのもあって。それで悠月様が凄かったのはやっぱりここですね、初めは、高らかに勝ち誇ったように笑ってるんです。特に何の指定も入れていないのにも関わらず。確かに、頑なに決意していた復讐がいよいよここで果たされると思うとそりゃあ笑いも出ますよね、だって家族の為に周りを巻き込んで自ら始めた戦争がようやく完遂するのですから。自分に置き換えてみたとして、性格の悪い私なら「ざまぁwwwwそのまま土に還れ! いい気味じゃボケ!!(プギャー)」くらいトドメに言うかもしれません、クズなので。

悠月様は笑い声の後に、段々とそれが引き攣っていくんです。文面では表しにくいのだけど、自分のした事が、いかに悲しくて、同時に虚無を孕んでいる事に気づいてしまったのか……。復讐が何も生まない事、これで更に大きな悲しみの連鎖が続く事、そこには何のカタルシスもないのかもしれない事を一番知っていたのは何よりオリヴィア自身だったからこそ、この笑い声が出たんでしょう。初めから彼女はそんな事は百も二百も承知で、覚悟を決めていたんだろうと。それから涙声にトーンが変化していくんですが、最後の「ごめんね」の言葉が誰に向けられているのか曖昧に言っているのもいいんですよ。結局、彼女は長い葛藤の末、やっぱり最後には家族を選んだんだろうなっていう、救いのない幕のひき方。母性にもがき苦しむ女性の本能、というものをよく理解した上で演じてくれたのだなー、と、心底思いましたよ。スカーレット様の時から凄いけど、悠月様は本当にカメレオン俳優(女優?)ですね。そこにいたのは聖女でもなく、たった一人の、母親という道を選んだ女性でしかなかったんだなぁって涙腺爆撃でした。

ていうかさ〜〜〜、このシナリオってちょっと女性ってか母性を神格化しすぎなんじゃない??そんなものかね??って思いもしたんですが、子を持つ母というのは無条件に強くもあって、子や家族の為ならば、必死に守りたいあまりに多少壊れもすると思うんだよ。母に限らず、本当に好きな相手の為ならば、ほとんどの人間がそうなんじゃないでしょうか。自分の中のモラルがかろうじて抑制しているだけで、大事なものが不条理に奪われたら、そして相応の罰が与えられないのなら狂うのは当然です。この辺りはクラウンにも同じような事が言えると思う。そういう意味では彼女とクラウンは似た者同士だったんですね。あの悲し気な笑い声は、先を知っている自分にはグサグサ来ました。つっら〜〜〜!!





神代那岐 as やましろもえ(続投)



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キャラの中で一番、ギャンブルが強い。

前作の生き残りにして物語全てのキーを握る時をかける美少女。彼女もまた正体は旧支配者のうちのいずれかに該当するのだろうけど、正体は明かされてないですね(神代の妹、というよりは半身みたいな感じで、ニャルラトホテプ説が濃厚だけど)。
同時にいくつも並行して存在している世界の中で只一人しか存在しない彼女は、全ての世界の事を知っていてその結末も知っている。インテグラルではエル=フリッガという偽名の偽名のような姿で登場しますが、エクサ→インテグラルの間で彼女は『エル』という存在に転生する為に、一度消滅している理由が判明していました。それも自ら兄に自分を殺してくれるように頼みこむ形で。



それまではアザトース(こいつも結局ネクロノミコンと合致する)を殲滅する事と、形式上姉に当たるイルゼを倒す事に動いていた那岐。彼女を動かしていたのもまた悲しい事に復讐に帰結してるんだけど、ってなんかもうすごいよ! ほぼ全員が復讐が動機なんて。似た者同士は引き合っちゃうってよく言うけどホントそうなのかしら。
でも、那岐はアポカリプスで黒井ワールドでもっとも邪念がない七瀬と出会った事で、愛(男女のそれにせよ家族のそれにせよ)の本質を知って、もっとこう、それだけではない大きな何かに気づかされる。それまでの彼女は「愛」を確かめる為に、相手が望む通りのお人形になってあげるのは屈辱的だと、頑なに思っていたのかもしれません。むき出しの悪意から身を守る術は同等の悪意しかないと思っていたのではないでしょうか。そして何の躊躇もなくゾンビ化した同級生達を無表情で切り捨てる、おぞましい姿をクラスメイト達に見せつけている。そんな恐れられても当然な自分、悪人だとしか思えない自分を、七瀬は悪意とは正反対の愛情で救ってくれた。どんな化け物じみた力を持っていても、形が違っていても、全てを受け入れ愛してくれる人が、そこにいた。それだけで彼女の魂は自由になったのではないかと。それゆえに、妹をその手で殺害する事と彼女の強さに耐え切れず嘔吐した兄に、無言で寄り添ってあげたのじゃぁないかと。ええ子やで! 七瀬はほんまにええ子やで!! 七瀬に会っていなかったら彼女は兄に近づこうとすらしないし、林檎ちゃんを「救う」のではなく「殺す」為に、情に絆される事もなく動いていたかもしれません。最後の別離で七瀬の言った「また会えるって信じてる」。それが彼女にとってすべての始まりだったんでしょうか。そして振り向く事はなく前に歩き出す事を決めた那岐さん。もうあそこの演技、主演二人の技量がないと私の心をここまで揺さぶる事はなかっただろうな。

やましろ様のウィスパーボイスは本当に浮世離れしていて、本当に天性のものですね。俺も欲しいぜ。美しいけど儚いのに、強さがある。沈黙やため息の多い彼女ですが、絶妙に違うその声質は何だろうとと感情を振り回されます。いかにも冷徹な少女というわけでもなく、モロ非人間ってわけでもなく、血の通っていないようで時々覗かせる感情的な様子。何というかリアルに「こういう人」にしか聞こえないんだよな。あと、映画界隈ではよく「OPでその映画の出来がわかる」みたいな暗黙のルールがあるけど、アポカリプスで冒頭、七瀬と前やんの自然すぎる日常の演技からの、那岐さんが出てくる非日常に切り替わる瞬間はとても美しくて、ここから何か異質な感じがして、これはやましろ様含め皆の演技力があるからこそ満点の掴みになったんだろうと思います。エクサではそんな彼女の強い覚悟を見せつけるのだけど、やっぱり女の子死んじゃうのきらい!! でもやましろ様の声が聞きたいし、復讐から解き放たれた彼女の言葉が聞きたいから台本は変えない! くやしいっ……ビクンビクン!




すごーくどうでもいいですが、彼女は本来は「セーラー服っていいよね! おまけに前髪ぱっつんで刀とか持ってるとサイコーだよな! ブラッドとか好きやし! あと眼帯とかついてると最高じゃない!?  且つ無口無表情キャラでBLワールドを阻害しない子とか最高じゃん! FOO!」って感じのテンションで作られたキャラなのですが、エルの名前の由来は同じく、キル・ビルに出てきた眼帯の刀使いのおねーさん(キャストはダリル・ハンナ)で、フリッガはエロ映画なんですけど「ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ」に出てくる同じく眼帯で復讐に燃える美少女、フリッガさんから取りますた。まあ作者の趣味欲張りセットだよね。このフリッガさん、いわゆる本番女優、セクシータレントさんってやつですがものっそい美人です。古い作品だけど今見ても通用する美女ですよ。



エマニエラ=モースタン as 武川鈴子(希望外/特別出演)



キャラの中で一番、腕相撲がっょぃ。

初めは出てくる事のなかった彼女ですが、飴山さんが「元旦那が好き勝手やってるんだから、落とし前つけるのに彼女も無視できないんじゃない?」って事で急遽参戦した彼女。……言われてみりゃあそうですな。むしろ今の彼女の性格を考えると黙って指を咥えて見てるって事はなさそうだし。四部〜五部にかけて参戦が決まったエマ様。昔の彼女の性格ではこうもいかなかったでしょう。初出の『シャンテクレールの葬送歌』は何だか宗教色の強い話で、自分でもなんかに取り憑かれてたんじゃね? ってくらい(多分その時読んでた遠藤周作先生の小説のせい。自分は至って無宗教です、すいません)詰め込みすぎた結果、難解になっちゃったので読者が離れたなと反省してるんですけど。あとやっぱり日本人には宗教だの悪魔だのキリストだの言われても、お仏壇でチーンってしてるくらいでピンとこねぇってな〜。まぁ当時の自分が何を考えていたのか釈然としないので(えぇ……)専門的な解釈はその道の方にお任せして、すんごい悪意に満ちた話だったのは確かで。エマさんも神経質で憂鬱さと苛立ちを静かに沈めた暗い顔の女性。形だけの夫・クラウンとの仲は冷えっぱなし。時代が時代、インターネッツなんかないからね! 旦那の悪口を軽々しく吐き出せる場もないから! おまけに立場が立場でママ友だっていねぇし! そらストレスにもなりますよ、ノーはけ口・ノーベッドインってお前。それでも彼女は失ってしまったクラウンより前の旦那とその子どもの為に、黙って仮面を被って何とか耐えて生きてきた。彼女は本当の自分が分からなくなっていたんだろうな。そいでまぁダメだけど若い男と不貞に走っちゃうんですけど!……アカン! アカンでぇ! 結婚とは一生続く、自分と相手の共同作業。そんな風に自分に言い聞かせてたのであろうエマさんが、数多の修羅場を潜り抜け辿り着いたのは自殺とも他殺とも取れる哀れな末路でした。彼女の死体を見たシャンテクレール家のメイドは「彼女は神を捨てたからこんな風になったんだわ……」とか言うんだけどバーカ! お前バーカ!! そういう事言ってんじゃないでしょー! エマさんはアンチクライストなんかじゃないの、単なる哀れな子羊なの! って言う事を伝えたかったんだよな当時は。嫌な女にしたくなかったんだよねぇ。 

と、まあ息を荒げるのは置いといて今のエマさんは吹っ切れちゃったのか可愛い主婦に落ち着いたよね。暗い過去を見せずに無事に家族とも再会できて。うんうん。コスチュームの露出は半端じゃないが(しり見えとるっ!!!)アーちゃんやルルイエたんと出会って明るくなって戻ってきました。そんなわけで武川さんには希望外からの続投という形でご参戦頂きます。きゃぴきゃぴしたまるで無邪気な少女のように生まれ変わったエマニエラ=モースタン嬢ことモッさん。現在の人間界にも興味津々、武川さんの大人の女性なんだけどちょっと羽目外していい? いい?みたいな可愛さとキュートさは天下一品でしたな。余談ですが、編集部様内でも武川さんのお声は好評でしたね〜。アラサーくらいの可愛いママさんぶりが過去の出来事と併せると非常にギャップがあって。武川さんの凄い所は、やっぱりこういう主婦っぽい役どころもそうですがぴちぴちギャル(死語)もいけるところです。実は同時に応募があったアルが非常に「え、これ武川さんの声なの? え? は?」って戸惑うレベルで……まあ、でも個人的には武川さんの「めっ」みたいな年上のお姉さんが好きですねえ。モっさんかわいい。頑張ってニアデス、エクサに同梱させたいなぁ。
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