言った途端、ふわりとルカの匂いに包まれて、抱き締められていると気付くのに時間はかからなかった。
「え……? え……?」
あたしよりは高い、小さめの背のルカの腕の中でパニクっているあたし。
周りからも驚きやら悲鳴やら様々な声がする。
「楓、俺の事すきー?」
そんな周りに気付いてないのか、恥ずかしい事を聞いてくるルカ。
あたしが遠慮がちに頷くと、
「楓、大好きー!!」
ぎゅっと抱き締める力が強くなると同時に、クラス中に聞こえる大きな声で叫んだ。
「おー!! ルカやるなあ!!」
「おめでとーう!!」
「ルカくん、格好いーい!!」
「すっげーなあ!! ルカー!!」
クラスメイトからの祝福の拍手。他のクラスからも何事かと、人がたくさん集まってきた。
ワーっと盛り上がる教室。
ルカを見ると、にこにこと笑っていてそれはもう楽しそうで、
やっぱり、可愛いなあ、とか。
でも格好良いなあ、なんて。
ルカは、女の子よりも可愛い男の子で、だけど男の子よりも格好良い男の子だろう、と思いました。
end
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