「新見」


「あ、後藤、……ごめん」




申し訳なくて、俯いてしまう。


後藤はアンカーだから。あたしがこけたことによって、迷惑がかかった。あたしのせいで負けるかもしれない……。




「なに謝ってんだよ」




顔をあげると、後藤のいつもの楽しそうな笑顔じゃないちょっと怒った顔。




「後藤……?」


「まだ負けてねーんだよ」


「っ、でも……、」




一位の1組とは半周以上離されて、二位の4組とは20メートルくらい離されている。




あたしが言える事じゃないけど……




「ムリ……」


「……じゃない。頑張ってる、アイツ」




3組の第三走者の渡部は、必死になって追いつこうとしてる。


300メートルをずっと全力疾走なんか出来ないはずなのに、しんどいはずなのに、走ってる。




「……あ、」


「っしゃ!! ナイス渡部!!」




渡部は、4組を抜かした。




- 6 -


[*前] | [次#]






第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -