Without you



采様へ 2700Hit記念



私は、あなたが居なきゃ生きてはいけない。
あなたにここまで骨抜きにされた、あなただけの女。
生涯お傍に置いてくださるなら、私はもう何も要りません。

この身体朽ち果てるまであなたの為に尽くしましょう。


私は毎朝目覚めるとすぐにベットを出てカーテンを開け、朝食の用意をし、それが終わると彼を起こすため寝室に戻る。

「イタチ起きて、朝よ。」
「…あぁ…」

く、っと腕を引かれて驚いているとふいに重なる唇。
頭を押さえつけられ、長い間続く接吻と共に身体を這い回る綺麗な手を横目に、○○はその行為に酔いしれた。

「…今日の朝食は?」
「ご飯とお味噌汁、焼き鮭と白菜のお漬け物があるわ。」
「そうか。」
「今すぐ食べる?」
「いや…いい。」

じゃぁ片付けてきます、そう言おうとした矢先に宙に浮いた身体。彼はもう我慢ならないようで、気付けば自分はベッドに組み敷かれていた。軋むスプリング、色っぽい吐息、全ての音が耳から脳の隋まで染み渡り私を犯す。そんな不健全な行為に酔いしれながらも、○○はハッと重大なことに気付いた。

「あんっ…イタチ、ちょっと待って」
「なんだ」
「やかん…火にかけっぱなしだったわ、」
「そうか…」
「ちょっ…と、」

流石に火元をそのままにしているのは危ない。やっとの思いで彼の胸を押しやると、その色気を帯びた視線と視線がぶつかった。

「火、止めてくるから」
「大丈夫だろ、」
「だめ。危ないから…」

少しでも離れたくないと言わんばかりの切ない顔をしているイタチをなだめながらベッドを降りてキッチンへ行き、ボタンを押して火を止める。たったこれだけのことをするだけなのに、あの人は私をなかなか離そうとはしない。
それは一途な愛からなのか、はたまたただの独占欲なのか。
どちらにしろ、あの人は私の近くに居てくれている。それがどうしようもなく嬉しくて、私はにやけ始めた顔をどう誤魔化そうかと必死になりながらも寝室へ歩くスピードを速めた。

「お待たせ。」
「早く来い」

寝室に入った途端、待ち構えていたのはやはりあの人で、彼は私を抱き締めると 愛している、と呟いた。

それを聞いて思わず失神しそうになる私は、相当の馬鹿なのだろう。

そうしてお互いの足に足を絡ませあいながら、私たちは深く深く堕ちてゆく。


もう、戻れない。


Without you

(戻る気も、ない。)


2008.12/29
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thank you!! :)



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