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臼速SS

臼井の指が頬をかすめて、首筋に回る。
伸ばされたその手にゴムは絡め取られて、まとめていた髪はぱさりとシーツの上に広がった。外さないと痛いし構わないのだけれど、臼井の手によってそれを解かれる事がこれからの行為を思わせて、身体が震える。…随分と、やらしい身体になった。
「何考えてるんだ」
そう言って、けれども答えさせる気が無いらしい臼井はそっと俺の唇を塞ぐ。啄むように、何度か唇を食んだ後、ぬるりと入って来た舌先を受け入れれば、貪るように暴れまわる。そうやって乱暴に咥内を犯すくせに、俺に触れる手のひらはいつだって優しいおとこ。
「、…は、なんもねーよ」
ようやく解放されてそう告げた時には、どちらの唾液かもわからないそれで首元までべたべただ。
「…さっさとヤろうぜ、気持ち良くしてくれるんだろ」
「…っ、」
そういって煽ってみせても、やっぱり触れる手は壊れ物を扱う様に優しくて、無性に泣きたくなる。
「…痛いのか」
「へーき、だから、」
だから、もっと溺れてしまえ。俺ばかりが、お前に溺れてるみたいで、苦しいから。そんな気持ちを飲み込んで自分からその唇にくちづければ、熱を宿した瞳に安堵する。
(なぁ臼井、もっと、もっと、俺を欲しがってくれ)

【二人で溺れてしまえたら】



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