課外授業…万事屋メンバー、ギャグ

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「僕、新八と」
「俺、銀さんの」

「授業の始まりだぁああああ!」

新八が叫ぶと、一人、また一人とお情け程度に拍手が鳴った。

「おい、新八。始めてから言うのもあれだけどよー。マジでやんの、これ?つーか、俺の知らない間に依頼受けてんじゃねぇよ。何だよこの大勢のガキんちょ共は」

銀時が嫌そうに目をやった先には総勢30人の子供達が集まっていた。言われた通りに座ってはいるが、各々がてんでばらばらな方向を向いていて、銀時等の話を聞いているようには見えない。

「仕方ないじゃないですか、お金も仕事も無かったんですから。今月の家賃も食費だって無いんですよ?」

それでもこの仕事だけは避けたかった。
今回の課外授業の講師と言う依頼。
この辺で有名な某寺子屋の教師が急に倒れたと万事屋に電話があったのが今朝。
主人たる己が結野アナの天気予報を見てすぐにソファーで睡眠を貪っていた、その時に電話をかけんでもいいじゃねぇか。
あー、何でも、親御さんが強く期待を寄せている授業だそうで? その期待が強すぎて、こちらの都合で授業が無くなりましたじゃ済まないんだそうだ。他の教員をあてるにしても、たまたまその日は教師が足らず、休暇中の教師を呼び寄せようと電話をかけたが繋がらない。
困りに困った教頭の頭を過ったのが、知り合いから聞いた町の万事屋の話。
多種多様な仕事を請け負ってくれると聞いていた教頭は、すぐに知り合いに連絡を取った。

そんで、俺らに依頼がやってきたとさ。

めでたしめでたし…で終わんねぇよ…

ただ今、朝の9時ジャスト。

いつもなら、結野アナの笑顔に見送られ再び気持ちの良い夢の中

だったはずなのに……

ま じ で やってらんねぇー!
なんでこんな朝もはよから起きて仕事しなきゃなんねぇの!?
新八もよぉ、社長の俺に聞きもしないで勝手に依頼受けてんじゃねぇってんだッ!
あー 眠ぃー…

それにしてもよ。
課外授業と言っても、授業の場所を広めの教室に移すだけで親御さんが来るわけでも無し。
子供達から親御さんの耳に入る事だけを配慮していただければ、内容はそちらに任せる、だとか言ってたらしいけどよぉ。
授業…ねぇ。
俺もガキの頃に寺子屋に居たって言っても、ほとんど寝てて覚えちゃいねぇんだよ。
知識も、大まかには分かってるけどよぉ、細かいとこはフワッフワッしてんだよ。
お守りだか何だか知らねぇが、先生とつくものは、金八だか銀八だかヤンクミだかにやらせておけばいいんだよ。
あえて俺にやらせる意味が分からねぇって言ってんの!

「えー、俺のことは先生でも銀時先生でも好きに呼んでくれ。ただし苦情がくるから銀八とだけは間違えんなー。そんでもって、こっちは助手の新八だ。今から気だるさ全快で授業してくっから心してかかれー」

「はいはい楽しい授業の始まりだよー」と新八が合いの手を入れると、パープーパープーと神楽がラッパを鳴らした。
音が伸びてるからか何となく締まらない。
鳴り終わるとすぐに小さな手が挙がった。

「せんせー」

「はいはーい、何ですかぁー?」

「何でせんせいの髪は白いんですかー?髪を染めるのは学校のきそくに引っかからないんですかー?」

「はいはーい。そうきましたか。えっとなぁ、確かに俺は先生の代わりで立っちゃいますが、正確には学校の人じゃないんで、規則は関係ないんですぅー。 先生の真似事をしちゃいるが、規則も何も無ぇっつーか、この授業だけは俺が規則だからねー。はい、分かりましたかー?」

「じゃあ白いのは地毛なんですかー?」

聞いてねぇよ。
つか、まだ引っ張るか、その質問。




続く


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