上続き

ー 回想修了 ー

「そんで、帰って来た新八を確認して電話を切った。こんな感じだな、うん」

銀時は電話のやり取りの一部始終を語り終えると、何で我慢出来なかったんだ… とお菓子のから箱を前に沈みこんだ。
私も結構頑張ったんだから酢昆布つけてくれアル、との神楽の言葉に、やる訳ねぇだろうが、と銀時が返し喧嘩になっている。

銀時が首を締め上げられて意識を飛ばしかけているのを見て、このままだと銀さんが昇天しちゃうと新八が止めに入った事で、その場は何とか収まった。
神楽は若干悔しそうにしているが、これも昼御飯に卵かけごはんを出してやり、更に卵をもう一つ付けてあげれば機嫌も回復するだろう。

「それにしてもややこしい。昨日どんだけ僕が心配したことか。断片的にしか聞けなかったし、痴情のもつれかと思い込んじゃいましたよ。冷静に考えればこの二人じゃ有り得ない事だって分かるのに」

「あれ、ちょっと失礼じゃね?俺等じゃ有り得ないって、どうゆう事よ?あれだかんね、神楽は子供だから分かるけど、銀さんは、まぁなんてダンディな男なの!私を抱いてぇ!略してマダオだからね。電話の会話だって、あれ素でやってたんだからね。恋愛の経験値が出ちゃったんだからね」

「言い訳も甚だしいアルよ。これだから、まるで駄目なオッサン、略してマダオは駄目なんだよ」

「神楽ちゃんんん!?マダオの意味が違うからね!長谷川さんはそれであってるけど、俺だけは違う意味なんだからねぇぇええ! つか、神楽ちゃん、甚だしいなんて難しい言葉、何処で覚えたのぉぉお!?」

「渡る世間は鬼尽くし、ネ」

「駄目だッ!神楽はもう渡鬼を見んじゃねぇ!素晴らしいドラマだけど、お前にはまだ早すぎる!お前はセーラー○ーンでも見てなさい!」

「セーラームーンmの悲劇なら見てるアルよ」

「それって、確か前にも聞いた名前のような……って、思い出した!駄目ッ!それも教育上良くないから!お前がしたってるウ○ギちゃんも、ブラックウサギだから!黒の中の黒!真っ黒だからね!」

「何ヨ。『新妻のバキボキなお出迎え(ハート)』(小噺8頁参照)がそんなに嫌だったアルか?」

「あー…新八パス。俺声張り上げんのも疲れたわー。ほら、ツッコミ担当、頑張れー」

「えぇ!?や、その、ゴホン。神楽ちゃん。嫌どうのこうの以前に、僕ら死にかけたからね。僕なんて下手したら昇天してたんだからね」

「メガネ(新八)はどうでもいいとしても、今回の事は私が悪かったネ。銀ちゃんゴメンナサイ」

やっと謝ったか。神楽もほんと素直じゃねぇな。まぁ、俺も人の事言えねぇんだがな。
新八が何やらわめいているが軽くスルーして、銀時は神楽の頭を撫でた。

「しょうがねぇな。約束だから酢昆布はやれねぇけど、晩飯は焼肉屋に行くか」

「まじアルか!? キャッホォオオオオ!!!」

「ちょっと、そんな事言っていいんですか?依頼料が入ったからって余裕がない今は使える訳じゃないんですからね!」

「大丈夫大丈夫。俺には多串と言う名の財布があるからね。奴にはまだ前の依頼料を貰ってねぇんだよ。これからチビチビたかるって言っといたし、言えば嫌嫌でも奴は払うだろうよ」

「それなら遠慮はいらないですね。早速行きましょうか!」

「久々のお肉ネ! 早く行くアル!」

その後、多串君(土方)は三人に捕まり、焼肉屋でさんざん飲み食いした余りにも高額な料金を見て愕然とし、それを支払わさせられ、憔悴して帰るのだとか。
その憔悴した姿を写真に押さえた部下の沖田が、後日、真選組屯所の廊下に滑稽な文を添えて写真を張り出すのだとか。
それによって隊士に顔を合わせづらくなり、しばらくの間を自室に籠って仕事をするはめになるのだとか。

捕らえられたばかりの土方には、先の未来を知るすべなどあるはずもなかった。


終 わ り




…自由に書きすぎた?
んでもってお題にしちゃ長くなり過ぎた?
楽しくやらせて頂きました。
ただ、最初のシリアスだけは私の性に合わなかったのか、色々な意味で書き難かったです。
向かないかと思いつつ、次にまたシリアスに挑戦する事を考えてみたり。
どうすっかね?

お題提供:rain-night[ID:55hk910ms]様
ありがとうございました。
.


(14/65)

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -