10号室の誤解C

自力で歩き遂に力尽きた俺、気がつくと見慣れた天井が見える。
どうやら鯉恋荘に帰ってきたらしい。




金沢「…どうやって?」


朝来「あっ、川上くん。起きたの?」



金沢「あつみちゃん!?なんで?」


意味分からない俺は撮影がどうなったのか気になった。

朝来「あのあと大変だったけど、みんなが助けてくれたの。」


金沢「そっか…。」


申し訳ないなぁと思ったら急に視界が暗くなった、一瞬何が起きたのか理解出来ず固まった。


金沢「はっ?」




朝来「うん、良かった…。熱、ちょっとだけ下がったみたいね。」


金沢「…うぁ!?」



マジで近すぎ!

もう恥ずかしさでまた熱が上がりそうだ。
彼女は部屋の外へ、ベッドに横たわって悶える。そこに機嫌がよくないあいつが…。




慊人「おい、はいるぞ。」


金沢「おぅ…、なんだ?」


手にはお盆に食器があり、お粥を持って来たらしい。



慊人「食えるか?つか食え…。」


金沢「なんでお前なわけ!?あつみちゃんがいい。」


慊人「俺だってんなことしたくねぇんだけど。」



なるほど、かわいい妹の為ってわけね。
だからといって同性のやつに世話はされたくないから自力で食べる。

慊人「あつみから聞いた、あんたあつみの親友のこと好きなんだってな?」



金沢「はい!?」


慊人「だから好きなんだろ?それとも靴の事バレたのか。」


一ノ瀬に確信をつかれ、喉が詰まった。



金沢「ちっ、違う!あれは…」


慊人「大丈夫だ、あいつもわかってんだろうから。まぁ、頑張れ…。」


金沢「…っ!!」



出て行った一ノ瀬のと入れ違いにあつみちゃんが部屋に入ってくる。






朝来「あのっ…。」

金沢「ごめん、なんか誤解してるみたいだからいうけど。」



朝来「誤解?」



金沢「うん…、ちょっと。」



近くに来るように彼女を手招きして俺は意を決して想いを伝える。
金沢「ってことだよ。」


朝来「…っ、ふぇ!?」


金沢「いっとくけど友達としてじゃあないからね!!」



やっと告げる事が出来た俺はホッとしている。もちろんあつみちゃんの顔は真っ赤で可愛かった。




*****


そんな事があった日からあつみがやつの部屋に出入りするようになった。正直言うがうれしいようでうざったく思う。

今日も来るんだろうな…。



朝来「お兄ちゃんー!!大変なの〜、毛布持ってきて!?」


慊人「は!?」


あつみに呼ばれて仕方なく外に行った。そこには女がいる。
つか、なんで裸足なんだよ…。



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