10号室の誤解@
いつものスタイリストさんがこれなくなって七海さんがくれることになった当日。
俺は片思いの彼女との撮影の為、控え室で七海さんにスタイリングをしてもらっている。
細川「まぁ、こんなもんだな。」
金沢「おぉ、ありがとうございます。」
柊「さすが川上くん、やっぱかっこいいなぁ。」
春華「ねぇ、剣。僕達もやってほしいよね。」
柊「うん、俺も。」
彼らはあつみちゃんと一緒にコスプレしているやつなんだけど…、剣ってのが恋のライバルなわけで。
金沢「君達は出来てんだからいいだろ?」
細川「あぁ、ばっちり決まってるじゃないか。」
雄と剣はまぁねと言いながら笑った。
もう1人、耀(よう)っていうやつもいるんだけど、無口なやつ。
清水「…そろそろ来るんじゃないか?」
春華「あ〜ぁ、あつみのこと?」
コンコンっとドアを叩く音が聞こえて、剣が彼女達を迎えた。
柊「やぁ!あつみちゃん。」
朝来「あっ〜、川上くんだぁ!!」
柊「ちょっと、あつみちゃん…。」
金沢「あはは!今日も元気だね。」
朝来「うん!」
彼女の名前は一ノ瀬あつみ、同じ鯉恋荘に住む一ノ瀬の妹でもある。
まさかこんな時にあんな事いうなんて思わなかったけど。
柊「あれ?川上くん、いつもより背が低いような?」
朝来「へ?」
金沢「何、言ってんだ!?」
細川「そっかっ!だよな…、なんでこんな時に。」
彼女は気づいてないみたいだけど、他のやつはバレバレらしい。
マナ『…シークレットブーツ。』
金沢「え!?」
朝来「聖(せい)ちゃん、なにそれ?」
柊「姉さん。」
2人は姉弟、ちなみに雄と耀はいとこ同士らしい。
清水「聖、時間か?」
春華「もう?」
マナ『まだだけど、ちょっとようがあってね。』
金沢「ん?」
用があるのは俺らしく、別の部屋で話をする事になった。
金沢「話って、もしかして!」
マナ「えぇ!」
まさか!と思った。
マナ「ちゃんと言っておいたほうがいいと思って。」
金沢「あ…、ブーツの…。」
マナ『違うわ!好きって事をよ。』
ガタンと聞こえて、音が聞こえた先には彼女がいた。
さっきまでのあつみちゃんとは違って元気がない。もしかして、聞かれてしまったのかもしれない。
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