2号室の憂鬱C

立ちすくんでしまった俺は、刃物を持った女性に襲わている彼女にどうすることも出来ずにいる。
外は相変わらずに騒がしいけど、一体どんな騒ぎをおこしたのだろ?



金沢「あら、あら外が気になるようね?あなたの所為よ。」


涼子「…っ!!」


柊「それはあんたの勘違いだろ!!」


金沢「何ですって!?お前も殺してやる!」

涼子「お願い、彼を殺さなっ…!?」


女性が持つ刃物が加藤さんの首のすぐ近くに突きつけられて、彼女は言葉を飲み込んだ。

金沢「もしかして、あなたこの子が好きなのね。
そうなのね…?」


涼子「…違います!!」


柊「加藤さん…。」


俺を助ける為とはいえ、違うと否定されたのは正直へこむ。


金沢「本当に?」


涼子「はい…。」


金沢「だったら、いいじゃない〜。まずはあなたから殺してあげるわ。」


柊「やめろ〜!!」



刃物を降り降ろす瞬間、彼女は目を瞑り俺は叫んだ。その同時に聞いた事のない音を耳にする。











金沢「…っ!!」


カラ〜ン!



柊「えっ?」


清水「そこまでだ!殺人及び殺人未遂の現行犯で逮捕する。」


柊「東さん!」


片手に拳銃を持った東さんが作業場へきてくれたことで助かり、彼女も開放された。

清水「お前ら大丈夫か?」


柊「大丈夫です。加藤さんも大丈夫?」


涼子「うん、大丈夫。ありがとう…。」


連れていかれる女性を見送りながらも、一体あの音や騒ぎの事を思い出す。




柊「そういえば外の騒ぎってなんだったんだろ?」


清水「あぁ…、似せの爆弾騒ぎがあったんだ。」


涼子「あのっ、あのひとの怪我は大丈夫なんですか…?」


柊「ちょっ、なんであんなやつ。」




清水「大丈夫だろ…、あいつの腕は確かだからな。なぁ、そうだろ?」



東さんが振り向いたそこには、あの人がいて俺は目を見開いた。



柊「麓汰さん!?じゃ…、あれは。」


紫苑『あぁ、俺があそこから撃った。』




そこには鯉恋荘の6号室の住人である、熊井麓汰(くまいろくた)さんがいた。
未だに彼の職業に俺は疑問に思っている。



涼子「ねぇ、宮下くん。警察の人ってすごいよね。私、見たの初めて!あっ、でも…、撃ったとこみたわけじゃないんだけどね?」



あはは、と笑ってくれた加藤さんはやっぱり可愛い。が、しかし、彼は警察の人ではないと東さんから聞いた事がある。

紫苑『悪い、俺は警察じゃない。やることは終わった、帰る。』


清水「おい…、熊井。ちゃんと帰ってこいよ?」

紫苑『…気が向いたらな。』


涼子「…あ、ありがとうございますました!!」



そしてこの事件が終わり、加藤さんと俺は改めて向き合った。


柊「これで巻き込む事もなくなったし…。好きです、俺と付き合ってくれませんか?」



涼子「…、はい。私でよければ…。」


聞きたかった言葉に嬉しいさでいっぱいの俺は抱きしめようとしたが、ギョッとした顔をされて。おわずけになった。



*****


そして、その日の夜。賢治くんはなにやら居間で探し物をしているよです。


櫻井「あれ〜、どこいったんだよ!?」


春華「なにか探し物?」

櫻井「そうなんだよ、このくらいのノート。」


紫苑『このノートの事か?』

櫻井「えっ?」


目の前にはちょっと可愛いノートが見え、表紙には「交換日記」と書かれているのでした。




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