2号室の憂鬱@

少し寒く感じる朝方、週5日通っているバイト先の先輩の加藤千夏(かとうちなつ)さんに起こされた。
すごく困っているみたいだけど、そんなの関係ない今の俺の顔はきっとふにゃふにゃになっているだろ。




涼子「宮下くん…、あのね。」


清水「…お前はなんつう事しやがる!!」


柊「…いや、何にもしてないんですけど。何かあった?」


涼子「うん…。」


清水「また被害者が出たんだ、お前が見張っているんじゃなかったのか…!?」




事の発端は数日前のこと、彼女は容疑者とまではいかないけど参考人らしい。
もちろん、彼女が犯人なはずがないんだけど…。

清水「とにかく、あんたには一緒に来てもらう。」


柊「ちょっ、待って下さい、俺ここで寝てましたけど…。」


涼子「あたし、刑事さんが来るまで部屋から一歩も出てません。」



加藤さんは部屋から出てないはず、何故なら居間を通らないと出ていけるはずがなく物音もなかった。
東さんは加藤さんの腕を掴んで俺を睨み、困ったなぁと呟きそうになったけど飲み込むしかなかった、俺に救世主が現れる。

慊人「あのさ、本当に出てねぇよ。俺、起きてたから。」


清水「本当だな?」


慊人「…ん、マジに寝てねぇよ。とりあえず鳥山にも聞いてみりゃいいだろ。」



一ノ瀬は眠そうな顔で頭をかきながら、居間を出ていって東さんは彼女の腕を放してくれた。
その数分後、ちょっと不機嫌な鳥山がくる。



春華「話ってなに!?僕、人に起こされるの嫌いなんだよね。」


清水「それは悪かったな…、それでだ。つい、1時間ほど前に殺人事件があって、何か不振な音や何か聞いたり見なかったか?」


春華「さぁ?熟睡してたから、分からないけど…。そんな風に見えないよ。」


清水「見た目、外見は関係ないが…。」


涼子「…一ノ瀬先生。出てもいいですか?」


清水「あぁ…、勝手にしろ。俺はほかの関係者のとろに行く、ちゃんとみとけよ!」


眉間にシワを寄せて東さんは鯉恋荘から出ていった。ちなみに一ノ瀬先生って人は彼女のカウンセラーの先生で実は一ノ瀬和也の実の母親、研究者でもあるらしい。

まぁ、一ノ瀬も実は研究者を目指しているんだけど…。




ピピピっと居間に携帯の着信音が響く、加藤さんは携帯のデスプレイ見ている。

涼子「…宮下くん、あたし、一ノ瀬先生のところに行きたいのだけど…。」


柊「うん、俺も一緒に行く。いいかな?」


涼子「…うん、でも。学校はいいの?」


柊「あ…、ふける訳にはいかなんだよな…。」



そう、大学生の俺には授業があるわけで。
仕方なく、加藤さんには1人で行ってもらう事に。その事で彼女の状況を悪くするとは思ってなかった。




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