頂物 | ナノ




7月6日。

今日は、高尾が家に泊まりに来た。

部活が終わった後、唐突に行ってもいいかと聞かれた。 明日も部活があるだろうと言っても聞く耳を持たず、結局泊まらせることになったのだ。

夕食を食べ、風呂に入ってからは俺の部屋に行き、二人で過ごした。

一応言っておくが、していないぞ。

10時には布団に入った。床に布団を敷いてやったが高尾はベッドに潜り込んできた。

出ていけと言っても

『いいじゃん 真ちゃんの隣で寝たいんだもん』

なんて言われたら俺は黙って頷くしかなかった。

そのまま眠りについたのだがー……

ーー…〜♪〜♪

突然、俺の携帯が鳴った。 いつの間にか着信音が変えられている。 高尾の仕業かあいつめ。

「ーー………」

無視しようかと思ったが、とりあえず携帯を取って通話ボタンを押した。

眼鏡は、かけていなかった。

「ー……もしもし」

『やっほー真ちゃん』

「………」

この声は。

俺はじろりと自分の隣に寝転ぶそいつを見た。

はっきりとは見えないが、スマートフォンを耳にあてている。

通話相手は俺だ。

「…貴様何のつもりだ。通話代の無駄だ切るぞ」

『ぶはっ、ちょ、待ってよ真ちゃん!!ごめんって!! 用あるから!!!!』

「隣で騒いでる奴が何を言っているのだよ」

『違うって。…ね、真ちゃん目ぇ閉じて』

「…………」

どうせ付き合わなければならないなら早く終わらせようと思い、目を閉じる。

「閉じたが」

『…ん、じゃあそのまま聞いてね。 …俺さ、真ちゃんと初めて会ったときは、何だコイツって思ったの。試合してからは、もう寧ろ腹立ったね。ざけんな、あんなのナシだろって。すげぇ不平等だ、って思った』

「………」

『だから高校行ったら強くなってまた戦ってやる!…って、思ってたんだけど。まさか同じ高校なんて思ってなくて。まぁ、同じ チームってことに抵抗なかったわけじゃねぇけどさ。 練習とか一緒にして、分かった。コイツは、相当な努力してるからこそ、それ相応の結果が返ってきてるんだって。 分かってから、俺は素直に真ちゃんを尊敬できた。すげぇな、コイツとバスケできるとかマジかよって。ー…コイツに、パスしてぇなって。まぁそっからいろいろあって今のラブラブな状態に至るんだけど』

「やけに割愛したな」

『そこはいーの!…で、さ。俺、やっぱり真ちゃんに会えてよかった。俺は真ちゃんに会って、一 緒にバスケして、ラブラブになるために生まれてきたんだって思うもん。だから、真ちゃん

生まれてきてくれてありがと

大好きだよ 俺だけのエース様』

「ー……っ!!」

プツッ、と通話が切られた。携帯をたたんで、眼鏡をかける。

「…高尾」

「……直接、顔見ながらとか、恥ずかしいから」

「だから電話か」

「悪いかよ」

もぞもぞと布団に潜るそいつを、抱き締めてやった。 シーツにくるまったまま、じたばたとする高尾を押さえつける。

「…高尾」

「…なに」

「…ありがとう」

「!!」

ぐっ、とシーツを引っ張り顔が見えるようにすると、高尾の頬は真っ赤だ。

その頬を空いた手で固定してから、唇を塞いでやる。

「ん、んん、真、ちゃ…んぅ、」

啄むようなキスを繰り返してから、舌を侵入させる。 しばらくしてから唇を離すと、目の前の高尾ははぁはぁと肩で息をしながら潤んだ目で俺を見つめていた。

「はぅ……真ちゃん……」

「何だ」

「プレゼントは、俺よ?」

貰ってくれるよね、と、へらりと笑いながら言われた。こいつは、俺をどうしたいのか。

「…後悔するなよ」

そんな、7月7日の始まりだった。


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みっちゃんよりフリー文頂いて来ました!!
どふっ、緑高が天使すぎてつらい

真ちゃん誕生日おめでとう!


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