帰り道の君は

ぽつりぽつりと黒い中できらきらと光る星をみながらふと思う。


こうやって、真ちゃんと2人で歩くこともいつか無くなるのだろうか
今の自分はそんなことないと思うけど、でもいつか遠い未来でもそう言えるかは分からない
離れたくない。出来ればずっとそばで笑っていたい


「オレ達、いつまで一緒にいられんだろうね…」

いつまで。あとどれくらい、真ちゃんのそばにいられることが出来るのだろう 
オレ達に残された時間はバスケをやっていられる時間と同じだけ
引退するまでの間。大好きな仏頂面。変な語尾。分かりにくい優しさ。バスケをする時の真剣な瞳。

恋人、って関係もオレ達を繋ぐバスケがなくなったら、

「高尾、どうした。お前らしくない」

「そーかな、たまにはオレも感傷的になったりするよ」

「知っている…」

あ、流れ星。なんだっけ、3回願い事を唱えるんだっけな
そんなので願いが叶う分けない。オレはあんまりそういうの信じ無かったはずなのに

「真ちゃんとずっと一緒にいたい…ずっと一緒に、あ。やっぱ3回は無理だよな」

信じて無かったはずなのに、真ちゃんのせいでそんなことにまで縋りついてしまう
大好きだから

「高尾、そんな事する必要はない」

振り返った君は星空と同じくらい綺麗で、

「くだらない?」

「あぁ。そんなものに頼るのではない、自分がいたいと思えばいつまでも一緒にいられるそういうものではないか?」

「な、にソレ。くそ、カッコよすぎ、ふ、…ぅ」

格好悪い、泣いてないで。真ちゃんに負けないくらい格好良いこと言ってやりたいのに。

「泣くな高尾」

「じ、んちゃ…っく、オレ、ぇ…ずっと、一緒にいたい、う、ぇ、ずっと、ずっと…」

「ふ、俺はじんちゃんではない、お前が呼んでくれている真ちゃんだ。高尾俺もずっと一緒にいたい、いやずっと一緒にいよう」

「ま、じでっ、男前、ふ、う…」


道端で座り込むとか、大泣きするとかあんま弱いとこ見せたくなかったのに。 

ずっと一緒にいよう、なんて

「プロポーズだと、おもって、いい?」

「ふ、好きにしろ。俺はそのつもりだったが」




       

帰り道の君は(悔しいくらい格好良くて)(綺麗な涙の泣き虫で)愛しい


    













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