文 | ナノ
キュッ、キュッと響くバッシュの音とボールを床へと打ち付ける音。
あー、きつい。後少し、もう少し頑張れば終わる。息を上げながら高尾は緑間をちらりと見た。ゴールだけを一直線に見て長くて綺麗な指でボールを投げる。そのまま綺麗な弧を描いてボールはネットへと吸い込まれた。
「ナイッシュー!」
軽快に声を掛けると当然だと言うように緑間は鼻を鳴らした。
ふと緑間の首に目が行ってしまって高尾はごくりと喉を鳴らす。
って、何考えてんだオレ。練習中に。
自分と違って汗をかいてない緑間に我に返ると首を振って邪念を追い払う。
「何をしているんだ、馬鹿め」
「な、真ちゃんひでー」
いつもの調子を装うと、練習終了の合図が告げられる。
「よし、今日は練習終わりだ。きちんと休めよ」
ざわざわと皆が部室へと移動し始める。
げっ、今このタイミングで終わんのかよ。さっきまでと違って良からぬものがわいて来た今は練習が終わることに焦りを覚えた。男の子って大変だ。
出来るだけ真ちゃんを見ないように。高尾は顔を俯けたまま着替えをすると宮地と大坪と木村が着替え終わったようで声を掛けて来た。
「俺達は先に帰るぞ」
「鍵きちんとかけろよ」
「分かってますって! お疲れ様っす」
「お疲れ様です」
「おー、じゃあな」
先輩達がいなくなったせいで部室には緑間と高尾の2人しかいない。
下腹部が重くなってきた。それを悟られぬように足を擦り寄せて高尾はシャツに手を掛けた。
「…高尾」
「ん? なに?」
「具合でも悪いのか?」
「大丈夫だって」
誤魔化すように笑うと気に食わなかったのか不機嫌そうな緑間は高尾の顔を両手で上げさせて目を合わせる。じっと見詰められて自身が反応して、もう限界だ。
熱の籠もった目で見るとそれが伝わったのかふいに緑間の手が下腹部をするりと撫でた。ぴくりと身体が跳ねる。
「っ、ぁ…」
「練習中に何を考えていたのだ」
「は、ぁ…だって、真ちゃんが、あっ」
緑間の唇が押し当てられて啄むようなキスをされる。舌で唇を舐められて開けると熱い舌が咥内に入ってきて高尾のものを絡め取ると吸ったり舐めたりされて息をする暇がない。頭がぼうっとしてきた。
「ん、はっ…あぁ」
脇腹を撫でつけていた手が上に上がってくると胸の飾りを摘む。くるりと回しながらぷくりと主張してきた乳首を緑間は口に含むと軽く甘噛みする。
「ひっ、ぁあ、いっ、緑間っ…だめ、ん」
「何が駄目なのだよ」
「あ、はぁ、んっ、ここ部室だから、あぁっ」
「先に欲情したのはお前だろう」
ちゅっと音を立て吸うとびくびくと身体が跳ねる。いやだ、と首を振る高尾をよそに緑間は下着ごとズボンをずり降ろすと既に濡れた性器をテーピングをしたままの左手で上下に扱いた。
「ふぁ、ゃあぁ、真ちゃっ…あぅ」
「もうイきそうだな…」
「あ、ぁっ、だめ、んぁあ」
頭がどうにかなりそうなくらいの快楽に必死に耐える。ぐちゅり、と自分の性器から聞こえてくる卑猥な音とテーピングしたままのざらついた感触にどんどん下腹部は重くなっていく。
緑間を見ると優しく笑みを浮かべていてその顔に残った理性がじりっと焼き切れた。
なんでそんな格好いい顔してんだ。
「あ、ぁ、もうイくっ、は、んあぁあ」
どろどろに濡れた指を緑間はそのまま後孔に入れてぐるりと中を掻き回す。緑間の指を咥え込んだそこは緩く収縮しながらひくついていて誘っているようにしか見えない。
「っ、ぅあ、は、あん、ん」
腰の奥が疼いて仕方ない。早く、緑間のが欲しくて堪らない。
もう充分だろう、もう受け入れられるから、
「真ちゃん、ちょうだい、ぁはや、く」
「了解」
「あぁあ、ひぁ、はっ、ん」
ひたりと緑間のモノが宛てがわれてから中に押し入って来る。長大なそれは中いっぱいに満ちてきた。
「はっ、いただきます? なーんてなっ、ひ、あぁ」
「お前はっ…」
随分、余裕そうだな、と奥まで突かれて言葉が詰まる。抜き差しされるたびに頭のてっぺんまで電流が走るような快楽にすぐにでもイきそうだ。
立ったまま突き上げられて脚が耐えられなくて緑間に身体を預ける。
「あ、は、あん、ぁあ、ぁ」
わざと高尾の好きな場所を外しながら緩く突かれてもどかしさに目尻に涙を溜めた。
自分で良いところに当たるように腰を動かしたくても体勢的に無理がある。
耳朶を口に含みながら緑間はそんな高尾を見て笑みを浮かべる。
「あ、も、いじ、わる、すんな…ってぇ、ぁあ」
「ふん」
「ぁ、あぁっ、んぅ」
膝裏に手を掛けて片足を胸につくくらいまで上げさせるとより深く繋がる。強く突き上げてやると短く高い声が上がった。腰が密着して肌から熱が伝わってきて心地よい。
「あ、ぁ、しん、ちゃん、きもち…ぅあ」
名前を呼ぶと中で緑間のモノがおっきくなったのが分かって高尾はふにゃりと笑った。
「あ、す、き…ぁ、ひぅ、んぁあ」
強く突き上げられて言葉が詰まる。激しく出入りされて入り口がじんじんと熱を持ちながら食らいついて離そうとしない。全部持ってかれそうだ。
「高尾…好きだ…」
そう告げると高尾の中がきゅんと跳ねて緑間のモノを締め付ける。
すっげえ、嬉しい。もう、駄目だ、
「もう、イく、あぁあっ、ぁあ、ん」
「っ、はっ…」
とくとくと、白濁を吐き出しながら高尾は熱い息を吐いた。直前で緑間は高尾の中から自分のモノを引き抜くと高尾の腹に白濁を吐き出して息をつく。
「ふっ、ぁ…つかれ、た」
「お前が盛るからだろう」
「真ちゃんががっついたんだろ!」
ぶーぶー文句を言いながら疲れた身体をしばらく休めた。
2013/04/04
後始末どうするんだ