Sleep



あれやこれやと話していた名前が静かになった。
おかしいなと思い隣を見れば、俺の肩を枕がわりに夢の世界へと旅立っていた。
起こそうかどうしようか悩み続けて、しばらくそのままにしておく事にした。

ダラリと下がった名前の右手から友達に借りたという本をそっと奪ってテーブルに置く。
この作家さんの漫画化や映画化されたシリーズは名前がよく読んでたな、と思い出して、手に取ってみる。

パラパラとめくったそれは、散歩に出掛けて摘み取った植物をなんと料理して食べていた。


「へぇーこれって食えんだ」

「あ…」

「よく寝てたな」


小さく呟いたつもりだったのに、二人きりの静かすぎる部屋には響いたか。フニャリと笑った名前が俺の手にある本を見て、それ面白いでしょ?と 小さくあくび。


「まだ眠そうだな」

「大丈夫…じゃない、かも」

「寝るといいよ、起こすから」


うーとかあーとか言ってる口を手で塞ぎ、ベッドに入り布団を捲り隣に入るように促すと真っ赤になってあたふたし始めた。


「どうした?」

「浩志さんよ、確かにわたしは眠い、眠いよ?でもさ、それは…」

「俺も眠くなってきたし一緒に寝よう」


いや、だから、その。
埒があかないから強制連行したものの、これは…うん、ヤバいな。


「大丈夫、何もしないから」

「何もって」

「ご希望なら手を出すけど?」

「え、遠慮しま…す」

「何だ、残念。でも抱きしめるくらいは許して」


ギュッと抱きしめると、よほど眠かったのか子ども体温で心地よい。
頭を撫でると、幸せだぁと言って目を閉じて5秒。寝息が聞こえた。


「おやすみ名前、いい夢を」


名前の額にそっとキスをして俺も目を閉じた。








目が覚めたら一番にキミの寝顔




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