Hand



失恋って、こんなに重たいんだね

初恋は叶わないって言った人、馬鹿にしていてごめんなさい
事実だったみたい。
現に、私の初恋は叶わなかったんだから


緑間君が、好きだった
バスケのために一生懸命な所、何にでも手を抜かないその姿勢
全てが大好きだった
私は、女子の中では一番仲良かったと思ってる
その距離に安心して、居心地がよくて
油断しちゃってたんだな、私
怖がらずに伝えておけばよかった
なんて何回後悔したんだろう

今日もひとり公園で、涙を流す。


「あっれ、名前じゃん。どうした・・・ってオイオイ」
「た、かお君」
「何泣いてるの」


一人だと思ってたのに、来ちゃった


「また真ちゃんのこと?」
「・・・」


申し訳ないな
彼には緑間君のことで散々相談に乗ってもらったのに
ふられた時まで面倒見て貰うなんてありえない

だから帰ろうとしたのに
彼がそうさせてくれなかった。
待てよ、なんていって私の腕を掴む高尾君

やめてよ、涙流れちゃうじゃん

「―――泣けよ」

心を見透かされたのかな
高尾君の目って、私の心まで見えちゃうの?
いつも私が欲しい時に欲しい言葉をくれるよね

そんな彼に甘えて泣く私もいつものことか


「俺だったら、・・・・・・」
「ん、?」
「ああ、いや。何でもない」


ホントは聞こえてたんだよ
でも、聞かなかったフリ
何でもないって言った高尾君が私の頭を撫でる。

暖かい手

その暖かさに、また涙が溢れてきた




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