Message



From.名前
Title.

宮地くんに会いたい

シンプルなメールが届いた。
元々名前は絵文字を使わないけれど、これまた簡素だな。

To.名前
Title.

もう遅ぇからまた明日な

ちょっとそっけなかったか。
まぁでも深夜に出歩くのもどうかと思うし、名前の家はここからかなりある。明日は大事な試合の日だ、俺はもう寝たい。正直。

From.名前
Title.

そこを何とかお願いします、窓からちらっと顔を出すだけでも!

……は?
窓からって、顔出したところでお前居なきゃ意味ねぇだろ。

「まさか」

俺はベッドから起きると、カーテンを勢いよく開ける。
そこには思った通り、名前が立っていた。

おいおい、もう真冬だぞ。寒いだろうが。

俺は窓を開けて、声をかけようと口を開く。それとほぼ同時に、携帯のバイブが鳴ったので反射的にそちらへと視線を向けてしまった。

From.名前
Title.

わーい、宮地くんだ

なに喜んでんだよ。寒くねぇのかよ。

To.名前
Title.

何してんだよ、風邪ひくぞ

ここから叫んでもいいが、近所迷惑だと思い、仕方なく俺もメールを返す。


From.名前
Title.

明日、大事な試合でしょ?だから、ちゃんと言いたかったの

ディスプレイから顔を上げれば、へにゃりと笑う名前。

が ん ば れ

口がそう動いて、ばいばいと手をふる。

あぁ、もう。
そんなことされちまったら、明日勝つっきゃねぇだろ。

To.名前
Title.

待ってろ、送る

俺は窓を閉めて、上着を着ると部屋を出た。
窓から顔を出せなんて、おねだりにしちゃ可愛げねぇとか。
それでも俺にとっては、可愛いとか。

そんなお前にはご褒美やらねぇとな。

とりあえず、玄関出たら、キスでもするか。
それから勝利を持って学校に行ってやる。

おねだり上手にはご褒美をあげる




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