「だいすきだよ、おかあさん」
あのこは私の生まれてくるはずだった我が子だったんだ。ごめんなさい。ごめんなさい。
***
「スクアーロ…鮫さんかあ!!」
「うるせぇ!耳元で叫ぶなあ!」
「あのね、スクアーロもだから!!」
他愛ない会話。
それが幸せだなんて私は知らなかった。
だいすきだよ、と言えば微笑んで抱き締めてくれた。
抱き締めてくれているスクアーロの腕にふれることだって……
できていたんだ。
あの銀色の髪に触れることも…抱き締めることだって
ただ空間を抱き締めるだけの虚しい行為になってしまう。
なぜ、私が。
なんて何万回でも考えた。
誰かが私の代わりに死んでくれれば…
なんて最低な事も何万回でも考えた。
愛したかっただけなんだ。
(スクアーロごめんね)
――――
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