そう、たとえば、好きなアニメの中でも一番好きな子をＡちゃんとしよう。その子の髪型は紫色で、くるくるパーマが、かかっていて、お母さんにあの子と一緒がいい。そう言ったら、お母さんは｢そうね、｣と言って。髪を切り始める。わかってる。髪を切るだけで紫色にはならないし、くるくるにもならない。わかっていても…そうであったら、と期待に胸をふくらませる。幼い頃のはなしだ。
***
｢ボス…｣
わたしの、あいした人が、１０代目だったら、この人はこんなに苦しまないのに。
何万回も、わかっていても、そう、期待に胸をふくらませてしまう。
だって、悪いのはこの人だけ？違う。違うよね、もし、この人の母が妄想になんてとりつかれなければ、平穏な生活を送っていただろうか……。八年間もの空白の時間もなかっただろう、きっと…。
でも、何故か、胸が痛むんだ。
***
｢あの母親が妄想にとりつかれなければ、てめぇに出会うことなんて、出来なかっただろうが…｣
｢あ……!｣
そっか、私は八年間の空白の時間をなかったことになるんだなんて。確かに傷つきはしないかもしれない。
でも、私とザンザスの時間を空白になんて………。
｢そこに、幸せなんてあるのかな｣
｢ねぇな｣
その答えに私は幸せを噛み締めた。
結局は幸せだね、ってはなし。待ち焦がれた八年間もゆりかごだって…あれがなきゃ私達は一生幸せになんてなれなかった
あの苦しみは幸せになるための試練だった、ってそう思えば、笑みが溢れた。
ｰｰｰｰ
ただいい話にしたかっただけ
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