ビュオオオ…風の強かった日だったから決して彼女は―――………ただ信じたくないだけかもしれない
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ドゴォッ、バキッ鈍い音がして不良達が倒れていく。僕の前で群れるから悪いんだ。「もう終わったかな」そう呟いて、立ち去ろうとした時だった。そこまでは普通、今までと同じだった。
ドス、鈍い音が聞こえてきて、腹部に伝う生暖かい血が、ああ刺された。そう理解するのには時間は掛からなかった。油断した。そうやって自分を嘲笑った後でまた残っていた奴らを咬み殺した。
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「きょーや先輩っ!!!」
バンッと派手な音をたてて入ってきたのは
「ソラ…」
だった。ここまで本当に一緒今までと同じだった。
「なんで!ケンカしないって言ったじゃないですか!!死んじゃうよ!!!」
「死ぬことなんてどうって事ないよ」
―……言ってしまった。
最悪の一言を。
「え…?」
ソラは泣きそうらしい、唇を噛みしめてる
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それから1ヶ月がたって、今ソラに呼び出されて屋上にいる快晴。青い空がとても綺麗だった、でも、今日は凄く風が強かった。
「きょーや先輩」
呼ばれて後ろを振り向くと、今にも飛び降りそうな顔をして、フェンスを越えた愛しい、彼女がいた。
「何してる、の」
「死ぬんです。」
「意味わかんないよ…早くこっちに…」
ビュオオオ…彼女がよろけた危ない。ほんっとに危ない。
「危ないから…!ねぇソラはやくこっちに来…」
「大好きなんです。でもあなたは命を大事にしないです。命がなくなるって事は、私をあなたが失うと言うことです。」
「私が命の大切さ、教えてあげます。」
ビュオオオ………
―…刹那、ぐしゃと言う音が鳴り響き。下から、女生徒の悲鳴が聞こえた。
(こうでもしないとあなたはいつかこわれてしまうから、)
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死んだか、死んでないかはご想像にお任せします
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