ビュオオオ…風の強かった日だったから決して彼女は―――………ただ信じたくないだけかもしれない



***

ドゴォッ、バキッ鈍い音がして不良達が倒れていく。僕の前で群れるから悪いんだ。「もう終わったかな」そう呟いて、立ち去ろうとした時だった。そこまでは普通、今までと同じだった。

ドス、鈍い音が聞こえてきて、腹部に伝う生暖かい血が、ああ刺された。そう理解するのには時間は掛からなかった。油断した。そうやって自分を嘲笑った後でまた残っていた奴らを咬み殺した。


***

「きょーや先輩っ!!!」

バンッと派手な音をたてて入ってきたのは

「ソラ…」

だった。ここまで本当に一緒今までと同じだった。

「なんで!ケンカしないって言ったじゃないですか!!死んじゃうよ!!!」

「死ぬことなんてどうって事ないよ」

―……言ってしまった。
最悪の一言を。


「え…?」

ソラは泣きそうらしい、唇を噛みしめてる




***

それから1ヶ月がたって、今ソラに呼び出されて屋上にいる快晴。青い空がとても綺麗だった、でも、今日は凄く風が強かった。

「きょーや先輩」

呼ばれて後ろを振り向くと、今にも飛び降りそうな顔をして、フェンスを越えた愛しい、彼女がいた。

「何してる、の」
「死ぬんです。」
「意味わかんないよ…早くこっちに…」

ビュオオオ…彼女がよろけた危ない。ほんっとに危ない。

「危ないから…!ねぇソラはやくこっちに来…」
「大好きなんです。でもあなたは命を大事にしないです。命がなくなるって事は、私をあなたが失うと言うことです。」

「私が命の大切さ、教えてあげます。」


ビュオオオ………


―…刹那、ぐしゃと言う音が鳴り響き。下から、女生徒の悲鳴が聞こえた。




(こうでもしないとあなたはいつかこわれてしまうから、)





______
死んだか、死んでないかはご想像にお任せします


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