「お前、一体何者だ。ただの人間じゃねえな」

突然日番谷冬獅郎くんが現れてからほぼ5分。思う存分とりあえずは茶番を繰り広げた。ええ、満足。怒ったりため息ついたりまあなんとマイナスの感情表現が豊かなこと。本当は色んなところを触ったりまさぐったりしたいところだけど、さすが隊長、ゆとり世代に育った私なんぞの攻撃はすぐさま回避してしまう

...ただの人間じゃねえとか言ってるけど、まあただの人間なんですけどね。あ、でも私はただの人間ではないか、だって私は...


「...私は生粋の鰤ヲタ兼ドリーマー兼腐女子よ」

「なん...だと...?!」


来ましたあああ!鰤節!!まさか本当に生で聞けるなんて思ってもいませんでしたよ!
そんな言葉聞けたらもうひと押しが欲しくなってしまってた。これはいつも寝る前に妄想していたあのセリフを披露する日が来たのではないか...!?

「更に言うと、十四番隊隊長日向花音とはこの私の事よ」


き...決まった...
かっこよ過ぎるぜ、自分ェ......


「.........そんな学校での立場なんて聞いてねえ、それに聞いた事のない言葉ばかりで全くわからん」

「え?知らないんすか、それは護廷十三...「何故護廷十三隊を知っている...?まさか浦原喜助の仲間か?」

やばい!めっちゃBLEACHっぽい展開なんですけど!!これガチなの?ガチで言ってるの?とゆか私の頭がついにおかしくなったの?だって日番谷冬獅郎くんが私の目の前にいるってちょっと...この展開、楽しむしかないじゃないの!

「いいえ、彼は私の事は知らないけども、私は彼の事を良く知っているわ。...もちろんあなたの事もね」

「.........」

精一杯BLEACHの新しい登場人物にいそうな、博識+怪しい雰囲気を醸し出そうと試みてみた。当の冬獅郎くんは紙面で見るような腕を組んで暫く悩んでいた

「他の人はさることながら、貴方の事なら特になんでも知っているのよ、生年月日身長体重出身地今までの主な戦歴もね」

「だから、それは何故だ...、全く話が見えねえ」

「それは私は十四番隊隊長だからって言ってるでしょうが」

「それを証明する物は...「ないわ、だって私が立ち上げたんだもの、私の存在がその証明となるのよ」


かっけえええ!自分かっこよ過ぎる!
だてに鰤ヲタやってないぜ!よし、なんか調子に乗ってこれたわ、こっからは冬獅郎くんと仲良くなって心の距離を縮めないとね、うん。離れたくないぜ、お前を愛しているくらい言ってもらわないと腹の虫が治まらないわ


「まあ、とりあえずその背負っている刀と隊長羽織を脱ぎたまえ」

「...刀はともかく、隊長羽織を脱ぐ必要はねえだろ」

「いや、まじで無理だから。人の部屋に上がったまま上着ずっと着てるとかまじであり得ないから」


という名目での、ただ冬獅郎くんの生肌を少しでも拝みたいだけなんですけどね、はい私変態ですサーセン。出来る事ならその死覇装を脱がしてしまいたいくらいなのですが、いかんせんそれはレベル99くらいなければ難しい事だと思うので、ここいらで許してやろうという魂胆です


「はあ...仕方ねえな、脱げばいいんだろ脱げば」


...脱いだあああああ!!しかもちゃんと畳んでる!流石!!たまらん!羽織なしバージョンいただきましたああ!やべえ、エロ過ぎる...、フィギュアでは到底叶いそうもなかった夢が...遂に...


「...そのノリで死覇装の方も...「なんでだよ」

「ですよねえー...」


流石にそれは無理か、当たり前か。
てっきりレベル99になった気分でした。

冬獅郎くんは、とりあえず私の部屋を一望し、やはりどん引きしていた。まあなんせ、自分のポスターや自分のフィギュアやらがこれでもかと敷き詰められているのだから。


「......気色わりい部屋だな」

「まあもう今日は遅いし泊まっていきたまえよ、私の隣、空いてる...「断る」


え、そりゃないでしょうよー
一緒に寝ないと心の距離縮められないじゃないなよー、無防備な私の寝顔を見て「可愛い顔してんじゃねえか、こいつ」とか言うんじゃないのかよー、夢小説だとそうなるぜ絶対。


「寝ないの?」

「お前には関係ねえだろ」


......むむ?むむむむ?この展開...もしや...


「泊まる場所がないなら、ここに泊まっていきなよ冗談なしでさ。...私先に寝てるから」


そうして、完全に私は狸寝入りをした。そうすればこやつは絶対泊まると思って。案の定、冬獅郎くんが去って行く音も気配も感じず、そのまま冬獅郎くんの行動を観察してやろうと思ったのにも関わらず、あろう事か私は爆睡してしまった






ただし、二次元に限る





なんて思ってたけど、三次元バージョン現れたらもうやっふおおおおおい!って感じっすわ






「ふう...ようやく寝たか。くそっ...何故あいつは俺の事が見えるんだ、かなり厄介だぜ...」










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