「ゴムゴムのォ…ムチ!」
「反発<リペル>!」
「ルーム…シャンブルス」
次々にわらわらと居る海兵を倒していく三人に、少し偉そうな人が苛立たしさに体を震わせているのが見える。
ルフィはゴムゴム。
キッドは刀やら銃やら、そして大砲までもを自分の思うままに操っている。
ローは半球の空間を作り出して、その中に居る人を切ってバラバラに組み合わせたりしている。
みんな、変な能力だなー。
なんて呑気に思っていたら私を海兵が数人囲った。
「シャンブルス」
すると次の瞬間私の前にはローが居て、元居た場所を見れば私と入れ替わったのか海兵が海兵に囲まれていた。
ふわり、
「ありがと、ロー」
「ああ」
「ローの能力、面白いね」
「お前の能力も最高だ。ルームの枠が広がるし、切れ味までも良いな」
――肩から腕から生えてる海兵やら胴が異常に長い海兵らの焦り回る環境の中で、私とローは話していましたとさ。
なんて。
「ギア サード!!!」
するとルフィの声が聞こえて、見てみれば大きくなったルフィの腕と、キッドが銃、刀、大砲を自分の腕に纏って巨大な腕を造り出していた。
「ギガント・ピストル!!!」
「消し飛べェ!!!」
二つの巨大な腕に、海軍は殆ど壊滅状態になった。
陣形は無く、動ける海兵の数も少ない。
立ち込めた煙が晴れて見えてきたルフィの二等親の姿に、私はおお…!と一人で興奮した。
「レリ」
「駄目だぞ!名前!」
うずうずとしながらレリーフをかけようとすると、腰に手をあてながら高い声のルフィ怒られた。
でもそれすらも可愛かったから…まあいいや。
「名前!」
するとナミの声が聞こえて振り向いた。
そこには麦わら海賊団の皆とケイミーとパッパグと、
「うわ…ハチ怪我してる」
「って、遅いわ!」
ウソップにびしりとツッコミを入れられた。
――聞けば「ケイミーちゃんは此処で売られようとしたんだ。あのクソ野郎ども」、「ハチが助けようとして、ハチ!怪我痛んだら直ぐ言うんだぞ!それ応急措置だからな」、「天…天り…?あ゛ーあの女何つってたか忘れた」、「天竜人よ」、「でも大丈夫だよ、名前ちん!名前ちんこそ大丈夫?!」…らしい。
「………」
私は黙ってケイミーの頭を撫でた。
途中から全然分からなかったことの誤魔化しとかではない、うん。
「おわ!おめェら、暴れんな!」
「名前ちんが頭撫でてくれたー!」
「良いぞケイミーっ!」
――すると視線を感じた。
見れば、ハチを背負う男の人…って言っても結構年みたいで、けど格好良く年をとってる人だった。
「…?」
疑問符を浮かべると、ワイルドに、でも人が良さそうに微笑んだその人。
…?誰だろう…。
「名前!」
するとキッドに呼ばれた。
見れば、キッドも仲間を連れて海軍の崩れた包囲網を突破しようとしている。
「今麦わらともめて大将が来たら元も子も無ェ。お前は今度貰いにいってやるよ」
「俺もユースタス屋と同じだ。またな、名前」
「だからやんねーつってんだろ!」
同じく仲間を連れたローにも言われると、ルフィ含め皆がまた吠えた。
それに笑いながら各々の方向へ去っていく二つの海賊。
通さないというように武器を構える海兵に、ルフィは笑って指を鳴らした。
「行くぞ、みんな!!!」
「「「おうっ!」」」
101230.