「麦わらあああ!!!」
大きな黒い…牛?に乗って追いかけてくる金髪さんは鉄仮面の下から怒声を上げながら私とルフィを追いかけてきている。
さっきは凄い優しかったのにルフィと会ってから…やっぱり麦わら海賊団と知り合いっていうのは敵関係だったのかな…。
…あれ…でもそれならその時居なかったにしても、私も敵意の対象だよね…?
ルフィに横抱きにされながら金髪さんから逃げている中で、ルフィの肩に手をやり金髪さんを見ようとすれば直ぐにルフィに頭突きされた。
「な…なにすん」
「見るな!!」
「え……」
ま、まさか金髪さんには見たら毒的なものが…いやまさか。
――すると木の小屋の密集した場所を抜けて、最初の場所に飛び出した。
陸地には最初と違ってゾロとブルック、ケイミーとパッパグ、そしてケイミーの友達が居た。
「!名前ちん!」
「おお、名前ー!」
「名前さん!」
「ったくお前は…」
「お前ら隠れろ!!」
駆け寄ってきた四人にルフィが声を上げた。
首を傾げた四人も小屋が壊される音に気付いたのかそれぞれ散り散りに隠れる。
ゾロとブルックが隠れた小屋の裏に私達も入った。
「んだ?アイツ」
「お前もよく知ってるぞ、ゾロ」
「俺も…?」
「鉄仮面を外してみれば分かる」
ルフィの言葉にゾロが刀を抜き走っていく。
それを見送る間もなく、私はルフィにぎゅっと抱き締められた。
「…ルフィ…?」
「……やく…」
「…?」
「はやくこれ脱げ!バカ名前がーっ!」
「…?!」
目を三角にして言われた言葉に私も目を三角に…は出来ない。
肩を掴まれながら私もルフィの腕を掴んだ。
「ル…ルフィは私に風邪を引かせたいのか…」
「違ェ!」
「じゃ…なんで」
「っ、似合ってねェ!」
…お化けだって言いたいのか。
自分で分かってるよこのやろー。
「―――ああ…?!」
するとサニー号の方から驚愕した声が聞こえてきて、振り向けば同じ方向を見て固まっている(…サンジが燃えてるのは見間違いかな)皆が居た。
その視線の先は…―――
「オラの…オラの顔を知らねえとは言わせねえずらべっちゃ!!!」
鉄仮面を外した金髪さんだった。
「…え、じゃああのサンジの手配書ってホントにサンジのなんだ…」
―…前に見たサンジの手配書は写真じゃなくて絵だった。
それもサンジとは似ても似つかないもの。
金髪さん…デュバルはその絵にそっくりで、手配書が公開されてからサンジに間違われて逃げ回っていたらしい。
…確かに似てるような…あんまり覚えてないなー。
サンジと同名の人の手配書だと思って軽く流したから。
「おい、名前」
「…?」
「サニーまで行くから、作用してくれ」
「ん…分かった」
すると今までぷんすかと怒っていたルフィがそう言った。
おお、説教終わりだ。なんて思った私は甘かった。
「レリーフ」
がしり、
「ゴムゴムの〜ロケット!!!」
って、私もかー。
既に宙をブッ飛んでる中でそう思った。
「―あ、名前!アンタ勝手に何処でも行っちゃ」
「よし、脱げ!」
「って、何を言っとんじゃお前はーっ!」
サニー号に着地すれば、ナミも眉を吊り上げながら怒り出した。
そしてルフィの言葉で目を三角にした。
ナミの鉄拳で沈んだルフィにナミがガミガミと怒ってる。
私はそろりそろりと二人から離れていく。
ロビンの所でも行こう。
「ホント…何言ってんのよルフィ!」
「…嫌だ」
「え?」
「他の奴のもんみてェで、嫌だ」
「―…ルフィ…」
眉を寄せ口を尖らせながら言うルフィにナミは苦笑した。
そういえば確かに名前は大きな黒いワイシャツを着ていたな、と思いながら。
そして名前を振り返った。
「名前、それ脱ぎな…って名前?!」
「……げ」
「アンタなにロビンのとこ逃げてんのよ!こらー!」
「ふふっ」
101225.