「ナミすわぁーんロビンちゅわーん!アフタヌーンティーです」
「んー…」
「ふふ、ありがと」
「ってどうしたんだい?ナミさん」
お昼時から一時間程経った時間帯、図書館に居るナミとロビンに紅茶を持ってきたサンジは、ナミの不満そうな不安そうなため息に首を傾げる。
問いに返したのはロビンだった。
「あれよ」
サンジの肩から生えたロビンの手がひょいひょいと指差す先には、手すりに座るルフィと名前の姿だった。
空を眺めながら薄く微笑む名前の姿を、ルフィが隠す様子も無く見つめている。
ああ…と納得すると同時に苦笑してルフィを見やるサンジ。
ナミが頬杖をつきながら口を尖らせた。
「ったく見てて苛々するわ!焦れったいのよ!」
「ルフィにしてはハッキリいかねェよな…」
「ああ、それは名前と同じ『好き』になる為に…らしいわ」
ロビンの言葉にナミとサンジが首を傾げる。
ロビンは静かに琥珀色の紅茶を飲み微笑んだ。
「まず名前の悲しむことをしたくないという事ね。今名前は空を眺めているから、邪魔をしたくないのよ」
「でもアイツ…ただ単に見とれてるっていうのもアリよね」
「全くだ。名前も名前だ。あんなに見つめられてよく気付かねェな」
「あと心臓が苦しくて好きと伝えるのも一苦労だそうよ。ふふっ、未来の海賊王さんがね。…色恋は分からないというけれど、ルフィと名前なら特にね」
ため息をつきながら二人を見やるナミとサンジ。
するとロビンが微笑んで
「少し手を出してみようかしらね」
手を交差させた。
「ドスフルール」
ナミとサンジが見守る中、名前の背中に手が生えてトントンと右肩を叩いた。
それに振り向いた名前。
名前の右隣で名前を見つめていたルフィ。
―――ばちりと近い距離でかち合った。
「ロビンやるぅ!」
「ナイスロビンちゃん!」
ぐっとガッツポーズするナミとサンジはロビンに笑う。
直ぐに手を消したロビンはふふ、と微笑んで
「…あら、」
「なに?」
「どうしたんだ?ロビンちゃん」
「ルフィ、固まっちゃったわ」
「「え」」
視線を戻したナミとサンジが見た光景は固まるルフィと、そんなルフィに首を傾げながら手を振る名前の姿だった。
「あんの馬鹿…!」
「クック…でもナミさん、面白いぜ?あんなルフィ中々見られねェ」
すると名前が痺れを切らしたのかごちんとルフィの頬にパンチした。
海の方へと傾いていくルフィの身体に名前は慌てて腕を掴んだ。
が、支えられる筈もなく二人一緒に海に飛沫を立てて落ちてしまった。
「こんのクソゴムー!!」
数秒前とは一転し、一気に目を尖らせたサンジ。
助けようと走り出そうとした時、誰かが先に海に飛び出した。
「ルフィー!名前ー!」
「お二人共、今助けますよ!」
チョッパーとブルックだ。
「こらぁああああ!!!」
ナミの怒声が響いた。
101224.