「そういやお前はなんつー実なんだ?」
宴の最中ゾロに聞かれて、テーブルを囲んで他の皆も興味津々というように私を見てきた。
「…あー…分かんない」
「分かんない?」
「小さい時に食べたみたいで…記憶がない」
「「「………」」」
あれ…なんだろ、皆の視線が痛い。
「なんていう実なのかしらね」
「ゆるゆるの実」
「ふにゃふにゃの実」
「ナミもサンジも、おめェら能力考えてないだろ」
「フランキーの言う通りだぜ、そんなこと言ったらルフィなんかバカバカの実になっちまう」
「バカバカ言うなウソップぅ!」
考える皆を見ながら、あ、と私は気付く。
「チョッパーとブルックはなんて実なの?」
「おれはヒトヒトの実だっ!トナカイだけど人間並の頭脳があるんだぞ」
「私はヨミヨミの実です。死んでも一度だけ蘇ることが出来るのです!はいっ死んで骨だけブルック!」
「その場合、名前の能力はどう作用するのかしらね」
…ブルックはもう能力をあんまり感じないから作用はしないかなぁ…。
チョッパーは…トナカイが人並みの頭脳を持つって事は…うーん…。
「人の中でも天才レベルな頭脳になる…とか、」
「「「………」」」
「頭脳明晰だから難しい言葉を使う…とか…?」
「…チョッパーが…」
「難しい言葉ァ…?」
「い、い、医者は何処に居られるのだーっ!…あ、おれと言う存在が正解だ」
「か、可愛いとか仰られても全然、1ミクロンたりとも感情が舞い上がったりなどしてるか、否!」
「「ぎゃははははは!」」
爆笑し始めたルフィとウソップにバシバシと肩を叩かれる。
「お、おれそんな話し方しねえぞ!」
「…もしかして、人型になった時に何か作用されるんじゃないかしら」
「ロビンちゃん案に俺も同意だ。ランブルボールを使わなくてもその効果が表れる…とかな」
「やってみたらどうだァ?」
フランキーに促されて、チョッパーは、
「………」
「名前、頼む」
「…………やだ」
「…え?」
「リジェクション」
「おわあっ?!」
チョッパーに向けて能力を使えば体が小さくなると共に幼くなる声。
驚くチョッパーを私は抱き上げた。
「チョッパーは今の方が可愛いよ」
「!か、可愛いとか言われたってなあ!えへへぇ、嬉しくねんだぞこのやろがぁ!」
「おいおーい、それでいいのかー」
ウソップのツッコミも聞こえずにへにゃりと顔を緩ませるチョッパー。
私はチョッパーの頬を遊びながら、ブルックを見て
「ブルックは…もう能力が感じられない…かな」
「蘇る能力ですからもう使ってしまいましたもんね!ヨホホホホ!」
「名前、能力が感じられるの?」
「ん」
ナミはそのままルフィの頬を掴んで
「ルフィはやっぱりよく伸びるようになるの?」
「…多分、あとは使える技が増えるとか…体力の消費が高い技も長く使えるとかも、他の人はあったよ」
ぐにいっ
「あらホント」
引っ張った。
そして逆の頬をサンジが
「おーこりゃスゲェ」
引っ張った。
そのまま引っ張っていく二人と、私の前に居るルフィ。
「ドスフルール」
すると肩から生えた手が私の視界を覆って「ふふっ」とだけロビンの笑い声がした。
…どんな顔してたんだ…。
(手が消えた時には頬が腫れたルフィがいた)
101117.