「お、俺…最近、悩んでたことが、あった」
「…この前、夜に部屋でぼうっとしていたのも、その悩み事のせい?」
俺はぎこちなく頷いて、リドルから視線を逸らす。
「お前、妬けるとか言ってたけど、俺が悩んでた…原因っつうか…お、お前…だから」
「――…え…?」
「お、俺、わかんなくて」
お前のこと、気づいたら目で追ってるし
お前のそばに居ると、ド、ドキドキ、するし
お前が笑うと、心臓らへんが緩くなって、俺までいつの間にか、笑ってるし…
「名前、それって…」
リドルの声が少し震えているかとも思ったけど、恥ずかしすぎて、よく分からねぇ。
「け、けど、さっきの…ルイの言葉で考えて…分かった」
――男が好きとか、女が好きとか、どっちも、全然ピンとこねぇ。
「別に俺は、男が好きなわけじゃねぇし…女が好きじゃねえわけでもねぇ」
「…っ」
「俺は、そういうんじゃなくて…ただ、お前が…」
そうしてリドルを見れば、目が合った瞬間、心臓が強く鳴って言葉に詰まった。
恥ずかしさに包まれて、下を向く。
「お、俺は…お前が…」
すると顔を包まれて、上を向かされて。
頬が熱いのを自覚しながら息をのめば、どこか必死そうな表情のリドルがうつる。
「待って、名前、ちゃんと――僕の目を見て、言って欲しい」
「―――……!」
ドクン、ドクン…!と心臓が、うるせぇ。
リドルから目を離したいくらいに心臓が苦しいのに、離せ、ない。
「リ、リドル、が――、っ、好き、だ」
うわ、俺…言った…!
と、一人感動している頃には、リドルに抱きしめられていて。
「名前…嬉しい……!」
「リ、リド、はな、離せ」
「やっと…やっとだ…!嬉しい…!僕も、好きだよ名前、愛してる…!」
心臓が跳ねて、どこまで熱くなるのか自分でも分からねぇけど、また頬が熱くなる。
俺は必死でリドルの肩を押してリドルから離れた。
けど直ぐに引き寄せられて、また抱きしめられる。
「嫌だよ名前、僕も名前が好きで、名前も僕を好きでいてくれて、それなのにどうして離れるの?」
「す、好きだって、自覚したからこそ、ヤベェんだよ…!だ、抱きしめられたりしたら…心臓、飛び出そう…」
「――名前、大好き、大好き。でも、あんまり可愛いこと言わないでね」
「お、い…!だからダメだって、言ってんだろうが…!馬鹿、リドル!」
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